ミュージシャンの角松敏生が選曲したコンピレーション盤。ラリー・カールトンからスタート、リッピントンズ・フィーチャリング・ラス・フリーマン、デイヴ・グルーシン、リー・リトナー、トム・スコット、アコースティック・アルケミー、YUTAKA、ブレッカー・ブラザーズ、ダイアン・シューア、カール・アンダーソン、オマー・ハキム、デヴィッド・ベノワ、デイヴ・バレンティンなど、たっぷり14組の歌と演奏が収録されている。全体を包むマイルドな質感が心地いい。ほかの人が選曲したら、たぶんこういう感触にはなっていなかっただろう。なにしろGRPにはあらゆる種類のジャズ～フュージョンがそろっているので、どのトラックをピックアップするかによって、作品の質感はそれぞれ違ってくるからだ。そういう意味では、角松敏生の音楽性とここに聴かれる歌と演奏は見事なまでに肌合いが一致していて、なるほどと思ってしまう。都会的でスマート、そして優しい音楽を聴きたい人におすすめだ。（市川正二）