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天と地の守り人〈第1部〉 (軽装版偕成社ポッシュ)

価格: ¥945
カテゴリ: 単行本
ブランド: 偕成社
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守り人シリーズを全巻読破しました ★★★★☆
よく評されるように、上橋さんの小説は綿密な世界観が構築され、そこに住む登場人物の複雑に絡み合うヒューマンストーリーが展開されている。この王子がこう行動すれば、敵はこうでる...とまるでチェスの駒を一手一手動かしているようなストーリー展開に感じた。

あとがきの上橋さんの言葉で以外なのは、ストーリーをすべて考えてから執筆しているのではない、考えながら書き進めているらしいということだ。いったいどうしてそんなことが?

最終巻にあたる短編集、「流れ行く者」に賭け事ゲームが出てくる。それは、国と国の戦いを繰り広げるもので、だましたり駆け引きをしたり、時には何十年もかけてプレイして壮大なストーリーを作ってしまうものだという。 あ、もしかして、これが上橋さんの執筆活動なのでは?と気づいた。

以下は仮説である。
上橋さんは物語を書くにあたって、まず、とりまく世界の詳細を設定する。 また、登場人物の詳細、性格、状態、人間相関図等などを設定する。 そして、「スタートボタン」を押すのである。 あの人物がこうすれば、この人物はこう出ると、それぞれのステップですべての登場人物の気持ちになって次の行動を決めて行くのである。

つまり、物語全体の設計図を描いてから執筆する、いわゆるトップダウンではなく、一人一人から見た世界で描く、ボトムアップの方式で書き進めているのではないのだろうか。この方式なので、考えながら書いていてもストーリーに破綻がでないのでないだろうか。

もうひとつは、筆者自身がどんなストーリー展開をするのかを書きながら知って行くことになり、執筆活動を楽しめるのではないのだろうか。 あとがきでの上橋さんのチャグムやバルサの行動をまるで見守っていたかのような口ぶりにそれを感じられる。
物語は大きな世界へと ★★★★☆
新ヨゴ皇国から始まった物語ははるか遠くの国々との戦争や人々の話へと広がり、バルサが行方不明になったチャグム皇子を探しに遠方の国へと旅立ちます。迷いのないバルサの行動は昔と変わりませんが、タンダとの微妙な関係やバルサのチャグムに対する母のような愛情などが話の中で少しずつ触れられ、バルサが一人の女性であることを感じることができた一冊でした。
そして、チャグムが皇太子としての責任を自覚し、よき君主になろうと苦悩しつつも歩き続ける姿に彼の哀しいまでの急激な成長を感じます。
バルサ・チャグム・タンダ・シュガなどの人々が果たして再会することができるのか、不安になりつつも読むことを止められない作品です。
バルサはチャグムを追う ★★★★★
これもいい本だ。

なにより、ストーリーに無駄がない。もとより、文章が上手い作者だが、前作『蒼路の旅人』あたりから、それをひしひしと感じる。

とはいえ、バルサが登場してくると、読者としてはやはりうれしい。やっぱり、バルサはバルサだ。よくこのような人物を造形できたものだと、いつも感心するが、血の通ったプロフェッショナルといえばよいのだろうか。しかも、女性であることが設定としてうならされる。

そのバルサは、ロタ王に目通りするため海に飛び込んだチャグムを追う。その執念はすさまじい、と言ってもいいくらいだ

もっとも、さすがにシリーズ最終話だけあって、この第一部からしてバルサも苦戦という感じだ。別にバルサが衰えたのではなく、たとえばロタ王国では、バルサが情報源を持っていないなど戦闘能力以外の要因がからむ。そして、なによりタルシュ帝国側の複雑な事情をバルサは知る由もない。

それでも、この第一部の最後でついにバルサはチャグムに追いつく。それも、劇的な形で。チャグムが、バルサを国同士の争いなぞに巻き込みたくないと、バルサを遠ざけようと苦心したにもかかわらずだ。やはり「母は強し」である。

さて、この『天と地の守り人』3部作は、チャグムとバルサの物語。そして、サグとナユグの大いなる交歓の物語と言えそうだ。それにしても、第一作『精霊の守り人』から、これまでの作品すべてがこの3部作に収斂してくるのがすごい。ねらっても、書けるものではない。それだけでも、この3部作は読む価値がある。
バルサとチャグムの再会 ★★★★★
とうとう最終章の幕開け。
蒼路の旅人以降、チャグムが果たしてどうなっていくのか。
ハラハラしながら手に取りました。

まずは蒼路の旅人ラストでのシュガに宛てたチャグムの手紙から本編は始まります。
チャグムの民を思う心に涙が出ます。

その後、バルサ、タンダ、シュガ、それぞれがそれぞれの事情で、自分のできることを精一杯やりながら物語は進んでいきます。
お互いを信じ、迷いながらも自分を信じている登場人物たちの生き方に感銘を受けます。
箇所箇所に出てくる登場人物、アスラ、チキサ、イーハン、シハナ、ヒュウゴ等、他の巻で出てきた懐かしい顔ぶれが総結集です。

今まで守り人、旅人シリーズ書かれた順番通りに読み進めましたが、
途中途中に他国のシーンが入る際、別の巻で書かれている背景が分かり感動もひとしおでした。あと2作ですが、読むのが大変楽しみです。
バルサとチャグムの物語がひとつに結ばれる醍醐味 ★★★★★
 南の強国、タルシュ帝国の侵攻が迫る新ヨゴ皇国とロタ王国。サグ(こちら側)の世界に戦乱の暗雲がたちこめる一方で、ナユグ(あちら側)の世界にも大きな異変が起きていた。風雲急を告げる動きの中で、皇太子チャグム、女用心棒バルサ、ふたりの物語がぶつかり、ひとつの大きな流れになっていく・・・・・・というのが、本書のあらまし。
 チャグムの行方を追い求めるバルサと、以前の巻にも登場した某人物とが出会い、言葉を交わすなど、このシリーズの愛読者にとっては、わくわく、ぞくぞく、はらはらするシーンが目白押しでした。
 特に、本書の終盤、「刺客」以降の話の展開が素晴らしかった。まるで映画のフィルムが回っているような描写の、鮮やかで見事だったこと。怒涛の如き話の流れに心揺さぶられながら、ラストまで一気に運ばれたこと。このシーンは、強く印象に残りましたねぇ。この場面の白眉のワンシーンを描いた324頁、二木(ふたき)真希子の挿絵もよかった。
 バルサの身を案じる幼なじみのタンダ、チャグムの安否を気遣う星読博士のシュガをはじめ、脇の人物のキャラも立っていて、魅力的なんですよね。同時進行で描き出される彼らの姿が、物語の味わいをさらに彫りの深いものにしている。
 物語の中にゆったりと身を任せることのできる本当に面白いシリーズだなあと、本書を読んで改めて実感しました。この「守り人(もりびと)」シリーズと出会えた幸せに、心から感謝します。
天と地の守り人シリーズでは、精霊の守り… ★★★★★
天と地の守り人シリーズでは、精霊の守り人とこの天と地の守り人が気に入っています。 NHKのドラマからフアンになったのですが、原作を読むとバルサのイメージが綾瀬はるかと違ったイメージが出来上がってしまいました。チャグムは精霊の守り人の子役がいいですね。可愛くて。