日曜日、お母さんに髪を切ってもらったのはいいけれど、チョキチョキチョキチョキ、ものすごく短くされたから、さあ大変。家族みんなに大笑いされ、最悪気分のでこちゃん。おつかいもイヤ、おでこ大嫌い、幼稚園も行きたくないと泣きだすでこちゃんを救ってくれるのは…。
あるある、これある、と誰もが思うはず。元ネタは自分のことかもと「ヒヤッ」「クスッ」としながら読み、最後は、「あーよかった」。転んで、ひざ小僧をすりむいたとき、お母さんに「チチンプイプイ」してもらうと痛いのも飛んでいった、あの気持ちにも似た読後感。いっぱい落ち込んでも大丈夫。たとえそれがおでこのことだって。欠点も魅力に。涙もスマイルに。でこちゃんがおねえさんにイチゴのパッチン止めでおまじないしてもらったように、一発逆転の幸せな体験を思いだし、ほんわか元気になる絵本。(平山イソラ)