Late for the Future
価格: ¥578
ジャムバンドシーンは、今やアメリカの一部での盛りあがりではない。ジャズ、ロック、クラブミュージックなど、多種多様なファンをまき込みながら、空前の広がりを見せ始めている。日本でもジャズ/クラブキッズはもちろん、サイケデリック/トランス周辺からの熱烈なラブコールも手伝って、確固たる一ジャンルを築きつつあるようだ。
ギャラクティックも、そうしたジャムバンドシーンの盛りあがりとともに、その名が浮上したバンドである。だが彼らはよりファンキーで、独自のサウンドを打ちだしている。彼らが敬愛するニューオリンズファンクの筆頭、ミーターズからの影響をダイレクトにうち出した、泥臭いサウンドが持ち味だった。しかし今作ではよりソリッドに、多様なアプローチが試みられている。
ラテンリズムの導入やロッキッシュなアタック感、クラブミュージックファンの琴線を刺激するような、レアな仕掛けの数々。スタントン・ムーアのパワフルなドラミングも、人力ブレイクビーターといった感がある。本作はまさに、ファンキーサウンドのガンボである。(坂本良太)