「碁の原理から法則へ」 一回読むと身につく本
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なんでも技術を身につけるには「覚える」ことは「慣れる」ことと同様必須要素である。しかし余り論じられないのは、碁を原理的に「知る」という要素ではないか。苑田先生はそういう言い方はされていないけれでも、先生の技術論は、この「知る」要素を説いているという意味で、大変希少で、貴重だ。「知る」ためには「なぜ」を問うことからスタートしなければならないが、先生はこの本でも「ここに打つんです」と言い捨てないで、そこに打たなければならない「理由や法則」を碁の「原理」に戻って説いている。覚えたり慣れたりする努力を最小化できる高効率の教本といえる。たくさん本を読んでこられた読者や、実践だけで高段者になられたかたがた、新しいもう一歩先を狙うために、どうぞご一読を。説明文は関西話法の口語体であるため、非関西系の読者は、何回読んでも「意味不明」な箇所あるはず。そんな点も、完読すればぜんぶ帳消しになるでしょう。
☆名著☆
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自分は囲碁を始めて1年半の級位者です。初段は目前なのですが、対局の中でなかなかつかめないことがありました。それは「厚み」というものについてです。
攻めているはずなのに、いつのまにか自分の石が攻められている。厚みをつくっても
うまく攻められてせっかくの厚みがぺちゃんこになる。攻められている中で気がついたら
相手の地が増えていた。
こんな経験を何十回としてきました。
そこで読んでみた本書。目から鱗の話がいっぱいです。
以下例を挙げてみます。
1、みなさんは攻める事は石をとることと考えていませんか?攻める事は逃がす事と覚えてください
2、地を増やそうとすると相手の地も増えるのです
3、地を作らない努力をするにはどうしたらよいかを説明しましょう
いかがでしょうか。自分の場合は、これまで何局と地を増やそうと努力したし、地を作ろうとしてきました。地をつくらないのが良いというのは、格言とかで聞いたことはありましたが、
では具体的にどうすればよいのか分かりませんでした。
この本でこれまでの悩みは解消できそうです。
是非、読んでみてください。
驚きました
★★★★☆
戦うことで地を得るものだと考え、勝てなかった。しかし、所構わず戦ったって仕方が無い。その考え方や、見極め方、その理由を解説してくれている一冊だ。図も大きく見やすい。解説も丁寧で、非常にわかりやすい。地とは、どのように取ればよいのか、従来の自分の考え方を改めさせられた。全てを受け入れるわけではないが、非常に参考になる。コツを知る、とはこういうことなのだ、と感じた。
この本は、全くの初心者よりは、何度も打って、痛い目を見た経験のある程度ある方のほうが理解しやすいだろう。
彼我の力関係に強くなれる
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苑田流大模様作戦で知られる著者は、初級者から上達の壁につき当たった有段者にまで役に立つ、目から鱗の出るような視点を次々に提示してくれる。「美人は追わず」「堅物には近寄らず」という極めて身近な格言から碁の深遠な真理へと接近していく。アマチュアはとかく彼我の力関係を考慮せず無謀な戦いを仕掛けつぶれてしまい勝ちであるが、敵と味方の石の数の違いから力関係を具合を説き、それぞれに応じた作戦を提示している。力関係の接近している場合の見合いの考え方、自分の勢力下での強烈な攻め方など、即実戦に活かせる題材が満載。単なる部分的な技術書にとどまらない、碁の大局的理論をつかみたい人に好適な、類書のない好著である。