主婦にもわかる国際問題
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ふと書店で見つけた本でしたが、タイトルに惹かれ購入してしまいました。
カフェで読み始めたところ、あまりの知的面白さに一時間ほどで読みきってしまいました。
毎日テレビでは北朝鮮における核問題や、対イラクまたはアフガニスタン政策について、
議論が交わされていますが、この本を読むことによって、なぜそれらが日本の未来にとって
大事な問題であるかを理解することができます。
そして、外交官の仕事の一端を垣間見ることもできるでしょう。
大変読みやすく、分量もそれほど多くないので、忙しい方にもおすすめです。
ゼロからわかる外交の真髄。
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今、外交の世界で何が問題となっていて、
どういう風に考えていくべきかが非常にわかりやすく、しかも内容は深く書いてあります。
外交に関する知識が全くない自分でも、
読み終わった後には自然と外交問題について語れるようになりました。
外交に関して関心のある人はもちろん、
自分のように知識や関心のない人にこそお薦め出来る一冊です。
各論も充実でお奨め。
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かつて安全保障の中心的な課題は、主として、国家が国家間の関係の処理において、国民の生命と財産を保全することであったが、グローバリゼーションが進展し、必ずしも国境を前提としない数々の脅威(テロ、大量破壊兵器の拡散、環境問題etc.)が出現している今日、安全保障の取り組みも包括的たらざるを得ない。本書は、現在のわが国が直面する安全保障上の課題を幅広く、バランスよく解説している。「外交と国益ー包括的安全保障とは何か」というタイトルは抽象的であるが、内容的には、近隣諸国との関係、アフガニスタンやイラクにおける武力行使の法的評価、不拡散体制、安保理改革、日米安全保障関、その他、各論が充実しており、著者の実務の経験を踏まえているだけに迫力がある。日本外交を理解するうえでお奨めの一冊。
内在的論理を理解するために
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現役外交官の視点から、広義の安全保障(WMD不拡散、人間の安全保障、日本の国際貢献等も含む)につき概説した著作。当然ながら著者の論旨は政府の立場から大きく乖離していないが、個々の外交政策について経緯を丁寧に解説しており、行間を読むことによって外交政策の内在的論理を理解することが可能であると思う。
国益への視点
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本書は、現役外交官である著者の実際の経験をふまえて、外交というを通して国益というより包括的な対象を論じた作品である。
「国益」と「外交」。二つの概念は極めて密接に関連しているが、実は必ずしも同一のものさしで測れるものではない。
現役外交官の著作は、外交分野に限らず、より包括的なテーマを扱うことがあるが、自らの仕事にひきつけようとするあまり偏った内容に陥ることも少なくない。
その点、本著者は外交分野に限られないその幅広い見識から、国益という難解なテーマを的確に論じている。
本書は著者が大学で講義した内容をベースにした作品であるが、著者の講義を実際に聴講してみた私個人の感想として、単に口述の講義内容が文章にまとめられているのではなく、よりわかりやすく、プラスアルファの話題が盛り込まれた形となっていて、講義を受けた者にもお勧めの一冊である。