このように、本書はただ理論モデルを列挙したそこらの政策過程論の教科書とは異なる。それゆえ、本書で取り上げられているようなエポックメイキングな論文を理解していることが読む上での前提となっているので、初学者向きの入門書ではない。大学院生以上の研究者が政策過程研究の論文を書く上で自己の方法論を検討するために読む、それが本書の正しい「使用法」であろう。