わたし発の希望学!
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★わたし発の希望学! 第四巻を、一言でいえばこう言える。私は(そして誰しもきっと)、こんな不安を秘めながら生きている。いつの日か病魔に、あるいは老いに襲われる。元気で過ごしていても、ある日突然、仕事にあぶれ、人にそむかれ、世間からつまはじきされるようなことがあるかもしれない(排除)。そんな「わたし発の不安」に、「わたし発の希望(のヒント)」をこの本はさずけてくれる。 ★とりわけ第10章「性をめぐる権利と希望」(ドキッ!)、第9章「先端医療は希望か?」、および第4章「開発学にとっての繁栄、幸福と希望の意味」は見逃せない。読むというより、むしろじっくり考える素材としたい。★とは言いながら、歯が立たない論文もいくつかあった。それでも読み終えれば、さすがにこれは「締めの巻」。その充実度は比類ない。★これで『希望学』全四巻を読み終えた。私の中の「わたしの希望」も、「もう、ない」から「まだ、ある」に少しは変わった(ような気がする)。★もしそれがそうなら、「希望学」はやはり「絶望の未来」をも「希望の未来」に変える力を秘めている。それは「まなざしの変化」をうながす力と言ってもいいかもしれない。とすれば、まなざしの「とりこ」になっている私たち自身を解放するためにも、さらに『希望学』を読むことをすすめたい。