龍虎決着、そして鬼人起つ
★★★★★
伊良子と藤木の二人に決着の時が訪れる
その時、牛股は鬼となる
そして語られる壮絶な牛股の過去、開眼に至る伊良子の道程
今迄、虎眼や龍虎に比べて、比較的 控えめだった牛股
今巻、牛股を前面に押し出して凄惨なシーンが続く
何故あれ程の力を持ちえながら、藤木が跡目なのか
虎眼流に掛ける壮絶な思いが伺える
また、輝きを失い堕ちた伊良子が、開眼するきっかけとなる過去
一応の決着を見た龍虎対決が、更なる戦いへと続く序章となる今巻
熱くとぐろを巻くような展開となってます
流石に目を背けた
★★★★★
9巻までの中で一番グロいシーンが多く、今まで普通に読めたシグルイに初めて恐怖を覚えました
虚無僧団の肉ミンチ
★★★★★
左腕を失った源之助の助太刀として牛股が登場し、賎機検校が用意した清玄の助太刀団(虚無僧姿の11名)と死闘を演ずる。嗚呼、阿鼻叫喚とは正にこのような絵図。(牛股の過去についての描写も見逃せない。また、いくの回想シーン(清玄が虎眼に両目を切られた直後の慈音寺における清玄への拷問といくへの凌辱シーン)も凄絶。)
第四十七景より登場する月岡雪之介は、原作本(南条範夫『駿河城御前試合<新装版>』徳間文庫)の第3話「峰打ち不殺」に登場する剣士。今後どのように物語に絡んでくるのであろうか。
中弛みし過ぎです
★★★☆☆
惨酷無惨時代絵巻シグルイも9巻目。
中盤最大の山場といえる牛股と伊良子の決闘編です(まだ戦ってませんが…)。
過去のシグルイは酸鼻極まりない凄まじい殺陣、善人が報われる事のない冷酷な封建制社会の丹念な描写、
狂気に満ちた異様な空気により、30頁の内容が60頁にも感じられるほど濃密な内容で、
いずれも星4つ〜5つの価値がありましたが、正直この巻についてはちょっと…という気がします。
菩薩の石田殺し、生きた人間を使ったの射的をはじめとする何の必要性もないエピソード、どうでもいい雑魚の鏖殺、
御前試合から見た過去の回想といえるこの話の中において、更に40頁近くに渡る、
話に全く絡まない牛股の過去話、話に絡むのかどうかも定かではない取ってつけたような伊良子の長い過去話
(しかもこの巻で終わらず、更に次巻へと続く)…などが延々と描写され、
全編これ引き伸ばしと水増しで構成された巻だといえます。
既刊中最も内容が薄くかつワンパターンで、半年振りの刊行にも関わらず話の進展もごく微々たるものです。
作者の意図は逆流れ封じにあるのではないかと思いますが、それなら普通に原作通り
雨で地面をぬかるませれば良いのであって、ここまで準備を長くする必要は無いですし、
これではただの露悪趣味ではないでしょうか。
話が散漫なればこそ、これまで気にならなかった絵の粗も目立ち、当作品に期待しすぎていたのか、
これまでの巻ほどの満足感は得られなかったというのが正直なところです。
それでも充分に面白い作品だと思います。
今巻の主役は
★★★★★
皆さんのおっしゃるような「牛股」のほかに、
「いく」もそうだと思います。
虎眼流に関わったばかりに、とんでもない目に合わされてる彼女。
清玄の仕置き後にあんな事があったとは。それでも敵討ちでも
御前試合でも、清玄を変わる事なく支え続ける彼女のまっすぐな意志が
心を突きます。
これほど臨場感があり、登場人物のそれぞれの複雑な背景に
感情移入する漫画もありません。9巻になってもなお
勢いが損なわれずに怒涛の展開。大変素晴らしいです。
それにしても素手による決行って・・・牛股さん・・・さすがです。