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おしゃれのベーシック

価格: ¥1
カテゴリ: 単行本
ブランド: 文藝春秋
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着ない服を買ってしまう人へ ★★★★☆
手持ちの服たちとコーディネイトできない服。
自分には似合わないけど、好きなデザイン、色の服。
似合っているけど、どこにも着ていくところがない服。
どうして私たちはこんな服を買いつづけるのでしょうか?

その答えが、この本の中にはありました。
おしゃれには服を見る目と同様に、自分を見る目も必要なんだと…。
自分を見る目がないと、ちぐはぐな服ばかり買ってしまうんですね。

また自分に似合う服を着るだけではなく、
相手にどう見られたいか、相手が自分に何を望んでいるか、
そこまで考えるおしゃれもあるんだと、本書から教わりました。

おしゃれ好きの著者らしく、ファッションの形容は卓越。
そしていわゆるハウツウものに留まらない、
「おしゃれの心意気」とでもいう熱い思いが作品を通じて溢れていました。

本を読み終えたら早速、自分の衣装棚を点検したい衝動に駆られました…。
女はおしゃれで社会化する -おしゃれが語る大きな物語- ★★★★★
文章のうまい人ですね。
まずそれが驚き。
上等なエッセイを読むと、
ざわついていた心が落ち着きますが、
本書を読むとじっくりとおしゃれとその効用、人生へのポジティブさに満たされます。
向田邦子と比べては褒め過ぎでしょうか。
ともかく自分の頭で考えて、行動して、ポジションを得てきた生き方、歴史が垣間見え、
「この人は素敵だな」と思いました。
そういう意味ではファッションに興味がなくても面白く読めます。

また、
女性がおしゃれをすることの真の意味は、
実は社会参加をすることだと気づかされます。
服を選ぶことは、
自分を律し、他人との関係性を作り、
自分の個性を主張し、
相手を思いやることだと本書は言っています。
どれも「そうだな」と頷くものばかりです。
「されどおしゃれで人生は変わる」なのです。
女性はおしゃれをすることで社会に参加するのですね。

更におしゃれ/モードやブランドを語ることが、
その背景にある歴史や伝統の命脈に及んでいきます。
それはポストモダンの現代で失われた「大きな物語」に他なりません。
ファッションが芳醇さを感じることができる、よい本です。
非常にお勧めの1冊。
ベーシックというより ★★★☆☆
ベーシックと言う言葉をタイトルに持ってくるのであれば著者の作品が初心者であろう人々も店頭で多く手に取る事も多いはずですが、初めての者にはわかりにくく長年の光野桃ファンにしかわからないような書き方をしているような気がします。だだ文章の表現や文体は相変わらず素晴らしいと思います。
紺の幅の広いパンツを中心にしたマニッシュなスタイルが定番だと過去の作品では強調されていたにも関わらず、アラブやアジアの民族衣装だとかいろいろな色のアイテムが登場する辺りベーシックを講義してくださる著者自身のベーシックがばらばらな印象を受けました。
ちょうど同じような気分 ★★★★★
昔ヴァンテーヌなどに文章を書かれているのを読んで以来のファンです。
今度はバーレーンにご家族で行かれるということで仕事を休まれたので、
帰国されたらまた書いてくれるのかなと期待して待っていました。

バーレーンで完全に専業主婦の暮らしをされていて、
おしゃれして出かける場所もなかったこと。
四季がなかったので日々の暮らしにメリハリがつかず、
洋服に対するセンサーが鈍ってしまったこと。
どれもこれも私が海外で暮らし、帰国して感じたことそのもの。
こんなに洋服の仕事をされて、ミラノなどでもセンスを磨いた彼女でさえ
そうなるんだとちょっとおどろきましたが、
同時にこの本を読み終わって私もまたおしゃれができそうな気がしてきました。

こういう先輩がいてくれてよかったと読んでつくづく思った本です。

生き方を見直す ★★★★★
カバーの美しさに惹かれて購入しました。
タイトルは「おしゃれのベーシック」ですが、私にとっては生き方を見直すきっかけとなりました。
まずは日々の生活そのものをベーシックにしたいと思いました。そうすれば自然とおしゃれも服もベーシックになるでしょう。
気持ちのいい春を迎えるために、クローゼットとそして私の心に溜まった「ベーシックに生きるために必要のない」ものをさっそく整理したいと思います。