若い頃からファッション雑誌の編集者だった著者。プライドと共に今までやってきた。
しかし、家庭の事情により家族で異国の地で暮らすこととなり、肩書きの無い少し年齢を重ね始めたひとりの女として揺らぐ日々。イタリアの女性達は若くない女ほど何故あんなに素敵なんだろう...。その素敵さを見つめて気付いたいくつもの事柄が載っています。

著者の本はほとんど読んでいますが、私の中でNo.3に入る本でした。10代、20代の女性は現状に甘えず気を引き締めて年を重ねていこうという気持ちに、30代、40代の女性は仕事や子育てをいいわけに自分のおしゃれや日々の暮らしをおろそかにしないという気持ちにさせられます。男性が読むと丁寧に年を重ねた女性の美しさを垣間見る事ができますよ。

　イタリアで暮らした経験をもとに、「洗練された大人の女性」について筆者があらゆる視点から考察する。この筆者の観察眼と鋭い感性、そしてそれを決して仰々しくなく研ぎ澄まされた言葉を駆使して文章に仕立てる技にはいつもながら感動してしまう。まさに文章のオートクチュール、職人技を感じてしまう。ファッション業界やミラノの素敵なマダムたちの装いやライフスタイル、雰囲気にいたるまで丁寧に描写されているため、まるで自分も実際に彼女たちを目の当たりにして、筆者とともにみとれているような錯覚を起こす。洗練された大人の女性が存在するイタリアの素敵なマダムたちをお手本に、自分も年を重ねていきたい。
　そんな勇気を与えてくれる一冊です。

年齢を意識し始めたら手にとるといい本かもしれません。
実は私はまだ20代前半、人生の楽しいこと苦しいことはむしろこれからです。
そのため読んでもまったく実感がない部分もあります。
しかし、光野さんの文章が好きなので読むことをとめられません。
もちろん、若い人が読んでも参考になる部分はたくさんあります。

将来こういう大人になりたいな・・・という空想を膨らませることができます。
それをふまえて、若い人には「妹たちへの贈り物」（集英社文庫）をおすすめします。

30歳を迎えます。体力や肌が疲れはじめ、すべての回復に以前より時間がかかり、少しでも手を抜くと体型がくずれ手はがさがさに。年齢を重ねていくって大変だっ、と漠然と不安を感じはじめていました。

そんなとき、その年齢相応のおしゃれの楽しみとルールがある、”今”を大切にするおしゃれと生き方を知り、とっても元気がでました。年齢を重ねるって楽しいかもしれない！　また、前向きに年齢を重ねていらっしゃる光野さんご自身の素敵な姿勢も素直に感じられる１冊です。（今までの光野さんの本と重なる部分もあり若干、新鮮味が欠けるので、星ひとつマイナスです）