素敵ってこういうこと。
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長年ファッション誌の編集者をしていた著者初のエッセイ集。
突然の家族でのイタリア暮らしで、彼女は今まで持っていなかった物を得た。そして余分な物を身につけてしまったことに気付いた彼女。
『おしゃれ』とは『洋服や靴』ではなくて『生き方にスタイルがある』ということが自然に伝わってくる。
彼女の繊細な言葉選びはこの一冊目から変わっていない。
私を作るもと
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何を着ていいのかわからない、どれも素敵に見えるけどどれも素敵に見えない・・・本当の自分て何だろう?? 装いをきっかけにして自分を見失ってしまい本当につらかったあの時、当時雑誌に連載されていたエッセイに出会い、とても救われたことを覚えています。それから光野さんの本にはたくさん励まされ、叱咤されました。着られるのではなく、どう着るのか。それはどう生きるのかにも通じる事。あれから10年以上経ち、すでに母となりましたが、時々読み返しては、心をリセットしています。
ヴァンテーヌで大ファンに!
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ヴァンテーヌで連載されているときから大好きだった光野さんのエッセイ。このエッセイにでてくる「錦手の皿」に憧れ、アンティークに興味を持ち始めました。
永遠のおしゃれバイブル
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光野さんのファッション描写は本当にすばらしいです。まるで写真を眺めているかのように文章が読めます。そして洋服の本家本元ヨーロッパのファッションに対する考え方がよく分かります。戦後の混乱期生まれの両親を持つ私はこのような生活の中の伝統に触れる機会がありませんでした。本書は私に「伝統」の感覚を教えてくれました。「文化」への触れ方を教えてくれました。
単なるファッションについて書いてある本を超えて、生きるとはどういうことか考えさせられるすばらしい本だと思います。
心豊かに生きたいと願うあなたへ贈る‘おしゃれ'哲学
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私にとってお守りのような本である。いつも鞄に入れて持ち歩いている。自分に似合うファッションが見つかるまで当て布を補強して紺のパンツを着続けたという話に象徴される著者の姿勢には「この人の言うことは信じてもいい。」と思わせるものがある。安直なファッションエッセイではない。「着る」おしゃれを考えることから見えてくる心豊かな人生のあり方。著者がイタリア滞在中に知り合い刺激を受けた魅力的な女性達の姿に、私も溜息が出るくらい強く憧れる。読後、「私も、もっともっと今よりも素敵になりたい。」と不思議なくらい素直に思えてくる。それだけ著者の読者に向けるまなざしは暖かく、励ましは力強いのである。