アメリカを知るための入り口
★★★★☆
12人と限られているが、手ごろなアメリカ大統領のスピーチCDである。スピーチの英語とその日本語訳もついているので、内容も分かり安心である。一つ短所をあげると、いくつか古いものは聞こえないわけではないが音声状態が悪いことである。仕方がないことであるがそのため評価を4つ星にした。しかしアメリカの歴史や英語を知る上で大いに役立つでしょう。また日本がどのような戦争をしたかも再認識させられるでしょう。
いくつか印象的だったものをあげると、ルーズベルトのゆっくりとした聞き取りやすい開戦演説、ケネディーの巧みなレトリックを用いた歴史に残る就任演説、クリントンの不適切な関係を認めたテレビ演説、そしてブッシュ(子)の対テロ報復戦争宣言である。ブッシュ(子)の英語の言い間違えが、CDでも対訳でも分る点が興味深かった。
本書はスピーチCDなので、アメリカ大統領の背景やスピーチのレトリックなどの解説はない。よって『大統領の英語』(講談社)や『名演説で学ぶアメリカの歴史』(研究社)などと合わせるとより理解が進むでしょう。アメリカを知るための入り口として、本物のアメリカ大統領のスピーチを聞いてみては如何だろうか。