Americana [ENHANCED CD]
価格: ¥1,252
ジェロ・ビアフラとの親交が彼らオフスプリングの中に潜在する遊び心の引き金を引いたのか? それとも高額な印税、セクシーなお姉ちゃん、高級スポーツ・カーといったものが彼らのやる気に火を点けたのか? いずれにせよ、苦悩と狂気をエネルギーと風刺へと見事に変換させてみせてくれた、バンド4作目にあたる本作が、4作品中、最も勢いのあるアルバムであることは確かである。「Pretty Fly(For a White Guy)」では感染症的リフや「Give it to me, baby」と繰り返されるフライ・ガールのチャントにあわせてシャウトするヴォーカルとミーハーを皮肉った歌詞が調和をみせ、モーリス・アルバートの「Feelings」のパンク・ロック・ヴァージョンでは、バンドが新たな(非)感性のレベルに達しつつあることを予感させてくれる。また、ザ・カーズのギター・メロディーをパクった「She's Got Issues」、アイアン・メイデンばりの聖歌で始まる「The Kids Aren't Alright」、ビートルズの「Ob-La-Di, Ob-La-Da」の露骨なパロディーの「Why Don't You Get a Job?」では、彼らのユーモアはかなりの毒気をはらんでいる。音楽的には、新たな発見に欠けるものの、聖歌調のパンク・メタルから痛烈なハードコア、果ては、かなり本格的な実験的サイクまでと縦横無尽に変化する本作は、オフスプリングの全作品中、最も巧みでバラエティに富んだ作品に仕上がっている。(Jon Wiederhorn, Amazon.com)