現代に熱力学を学ぶための教科書として
★★★★★
散逸構造を提唱したり、非平衡系への関心の高さで知られるプリゴジンならではの作りです。非平衡系、散逸構造、その先にあるのは生命と思われますが、そこに辿り着く前にやはり古典的ルールもしっかり学ばなくてはなりません。本書ではそのあたりもよくおさえられています。アトキンスの「エントロピーと秩序」ゴールドスタインの「冷蔵庫と宇宙」などの読み物と併せて読むとより深く熱力学の広がりが見えてくるように思います。
内容は、かなり教科書的ですが、Mathematicaによる計算方法などのおまけもあり、比較的親切に作られています。