高校生程度の世界史の知識でも十分間違いを指摘できると思います。
「その匈奴も、前一世紀に後漢との攻防で南北に分裂し、南匈奴は後漢に降伏、」(129ページ)
前一世紀に後漢が存在しないのは高校生でもわかります。
「一五二六年、ティムールの直系の子孫で、チンギス・ハンの血をひくといわれるバーブルはインドに侵入し、ムガール帝国をおこす。この帝国は約二世紀にわたって続いたが、」(132ページ)
ムガル帝国は1526年から19世紀まで続いたんだから、なんで「約二世紀」なのか?
あと、矛盾する記述も多いですね。
「国名のマレーシアは、マレー半島の名にちなんだもので、そのマレーには、インド南部のドラビダ語でマラヤ(山地)という意味がある。」(P1!38)
「マレーシア Malaysia サンスクリット語のmalaya「山地」に由来する。」(P273)
マラヤはドラビダ語、サンスクリット語どっちなんだ?
このようにいろいろな間違いが多い本です。
面白い地名がたくさん出てきて楽しいのだが、次々に興味がわいてくるので量的に物足らない気がした。それにしても、面白いところに目をつけた本だと思うし、そういう視点をもたらしてくれたことに感謝したい。
外国旅行の際には、「地名事典」というものがあれば、買おう、と思った。