色彩のブルース
価格: ¥2,100
2000年発表の4枚目。古いジャズやブルースを中心とした音楽性はこれまでの作品と同様だが、そこに現代的なクラブ・ミュージック感覚や、昭和歌謡的な猥雑(わいざつ)さを盛り込み、大阪独特のアクが強くドロリと濃厚なテイストで表現してみせた作品。代表曲「色彩のブルース」は、中納良恵のエロティックな歌唱とクールなジャズがぴったりと合致した“今様ジャズ歌謡”といえる曲だし、冒頭の「Nervous Breakdown」も、ダイナミックなジャズ・グルーヴが場末のキャバレーのような混沌(こんとん)とした空気を醸し出している。2人の希有なセンスと才能が存分に発揮され、エゴ・ラッピンの独自性を確立した記念碑的傑作である。彼らは次作からメジャー・デビューするが、個人的には本作が一番。(小山 守)