ソイレント・グリーン [DVD]
価格: ¥3,129
西暦2022年。環境破壊と人口過多が深刻な食糧不足を招いており、特に4000万人の人口を抱えたニューヨーク市では、プランクトンを材料とする固形食「ソイレント・グリーン」の配給でしのいでいた。そんな際、ソイレント社の取締役サイモンソン(ジョセフ・コットン)が殺害される。捜査に当たる市警殺人課の刑事ソーン(チャールトン・ヘストン)は、事件を追ううちソイレント・グリーンの恐るべき秘密を知ってしまう…。
近未来を題材にしたSF映画で、人口過多と食糧危機というテーマは、製作当時(1973年)よりも新世紀を迎えた今日のほうが、より身近に感じられるだろう。とりわけその恐怖感がピークに達するのは、ソーン刑事と同居する“本”の博学老人ソル(エドワード・G・ロビンソン)が、すべてを知った絶望感から“ホーム”と呼ばれる安楽死施設で、静かな死を選ぶくだりだ。もはや人類に選択可能なことは、自らの死のみという現実を静かに描いた秀逸なシークエンス。ソルを演じた名優ロビンソンも、本作撮影終了直後にその生涯を閉じたという。因縁だろうか。(斉藤守彦)