ビー・クール [DVD]
価格: ¥3,990
痛快作『ゲット・ショーティ』では、映画プロデューサーに転身したギャングのチリ・パーマー。そのチリが、今度は音楽業界に進出し、自分が発掘した若い女性シンガーをスターにするべく奔走する。業界の極悪プロデューサーから、ロシアン・マフィアまで、とにかくキレまくったキャラクターが顔を揃えているのは前作と同じ。頭角を表そうとするチリを阻止しようとする彼らを相手に、チリが、あの手この手で裏をかく作戦が、テンポよく描かれている。
チリは、ジョン・トラボルタのキャリアのなかでも当たり役のひとつだが、前作に比べ、クールになり過ぎているところは、賛否が分かれるところ。音楽業界の裏話など細部のネタが面白く、トラボルタとユマ・サーマンのダンスが、もろに『パルプ・フィクション』のパロディなど遊び心も満載だ。それぞれ怪演をみせるアクの強いキャストのなかでは、コメディ演技のツボを得たザ・ロックが出色。そのほかスティーブン・タイラーらが本人役で出演しているのが音楽ファンにはうれしい限りで、エアロスミスの協力を得た本物のコンサートシーンも登場する。(斉藤博昭)