アメリカ大統領が狙撃される! その題材だけでもショッキングなのだが、本作は、現場に居合わせた人々の違った視線で描かれ、真相が明らかになる作りが見どころになっている。ひとつのパターンが終わると、狙撃前に時間が巻き戻り、別の人のパターンと、計6回、狙撃の前後が繰り返されるのだ。複数の視線で事件を描くのは、黒澤明監督の『羅生門』や、『ユージュアル・サスペクツ』などが有名だが、本作の6パターンは時間も正確に刻まれ、映画が進むにつれ、驚くべき事実が少しずつ、薄皮が剥がれるように発覚する点が見事だ。
テロ撲滅の演説をしていた米大統領が撃たれたのは、スペインのサマランカという都市にある広場。演説を中継するニュースのカメラ、事件を防げなかったシークレットサービス、テロリストらしきグループ、聴衆、現地の警官、さらに大統領本人と、「6パターン」の視線もバラエティ豊かで、とくに狙撃される大統領のパートは予断を許さない面白さだ。デニス・クエイド、シガーニー・ウィーヴァーらキャストにも実力派を揃え、各人物それぞれの心理に深く切り込んでいく。これだけ複雑な構造をとりながら、90分で収めた手腕も高く評価されるべきだろう。(斉藤博昭)
飽きるが面白い
★★★☆☆
事件前後の同じ時間に、8人の一人一人がどの様行動をしたか、何を目撃したかを演出するために、8回も似た映像が繰り返し流れる。だんだんと先が見えてくる仕組みになっているが、やはりここで少し退屈した。
しかし、謎が謎を呼ぶ演出になっており、視点を変えると悪人だと思っていた人が全く関係ない人だと気づいたり、非常に面白い。
あと、もう少し犯人側の意図や弟さんのくだりを詳細に説明して欲しかった。そこが中途半端だと思う。
終盤は主人公も犯人を知り、アクションムービーへと移動する。
ハラハラ感がたまりませんでしたね。
因みに、似たような作品としてはメメントがあります。メメントは感情移入しやすいですが、こちらはなかなかできません。そこを注意して購入を考えた方が良いでしょう。
カーチェイス
★★☆☆☆
逃げ惑う人々が電話中の黒人の周りは皆避けていたり(笑)
動揺しながら電話していたのに、無関係なこの人が物凄く冷静にビデオカメラを構えて追跡開始(笑)
寸前の所での少女救出(笑)
この黒人が出てくると、何故かB級臭が漂っていてとても残念。
短い時間の割に余計な台詞回し多いわ、シークレットサービス内部の人間と犯人グループの繋がりもよく判らないわ、犯人達の目的もイマイチ明確さに欠けるわで、見終わっても『で、何だったの??』って感じ。
ただ後半のカーチェイスシーンはかなりの上出来でしたけどね。
最高に凝った作りなうえに、人間ドラマやアクション、カーチェイスも盛り込んだ娯楽アクションの傑作!
★★★★★
大統領暗殺事件に関わった人々の視点から見た、事件の様々な一面。
斬新な切り口、なかなか面白い一本。
一人一人の経験を描写しながらも、
同じ15分の出来事を8人の視点から8回繰り返し描写されるうち
少しずつ少しずつ話が進展して、新たな一面が見えてくる作り方が上手く、面白い。
同じシーンが微妙に違って見えたり、実際演技や演出が違うところもある。
当時の売り方は、何か複数の視点から事件の真相を推理する話のようでしたが、
実際はとてもスリリングでレベルの高いカー・チェイスもあり、
またそれぞれの人間的な一面も描かれる、アクション娯楽作品に仕上がっています。
メインの登場人物は、有名スターが多いのですが人数が多いので、出番が少ない人も…。
過去のあるシークレットサービスのデニス・クエイド、
敏腕TVディレクター シガーニー・ウィバー、
見知らぬ女の子を必死で守る姿がいいフォレスト・ウィテカー、
大統領にウィリアム・ハート、
自己主張が強い現地レポーターに「アバター」「スター・トレック」のゾーイ・サルダナなど、
多彩な出演者とキャラクターも見物。
可もなく不可もなく
★★☆☆☆
一つの事件を複数視点から見る事で事件の全容が分かる、という今ではあまり目新しくない構成。
所々に「なるほど!」と思わせる部分もあるが、見終わって思うのは「だから何?」である。
この手の構成トリックはアクションよりももっとサスペンスに力点を置いたほうがいいのでは?
あとテロリストの目的がいまいち不明。
ひとつの出来事も、別々の人間の視点から見れば…
★★★★★
「LOST」のジャック、出てますね(Matthew Fox)。
LOSTファンなので見逃せません。
こういう映画、大好きです。
ひとつの時間軸を、別々の人間の視点から見て、最後に真実が見えてくる・・
ちょっと変わった趣向の映画が好きな人にはお勧め。