西暦2027年、人類に子どもが誕生しなくなり、世界は荒れ果てていた。英国のエネルギー省官僚のセオはある武装集団に拉致されるが、リーダーは元妻のジュリアン。彼女は1万ポンドと引き換えに検問を通過できる通行証がほしいと言う。彼女の目的は、ひとりの移民の少女を新しい社会を作る活動をしている「ヒューマン・プロジェクト」に届けること。しかし、そのグループには実態がなく、なおかつ、その少女は重大な秘密を抱えていた。
『ハリー・ポッターとアズガバンの囚人』や『リトル・プリンセス』などのファンタジー色の濃い作品を手がけたと思ったら、このような骨太な作品も演出できるのだから、アルフォンソ・キュアロンの力量には舌を巻く。ミステリーの女王P.D.ジェイムスが手がけたSFを製作費120億円かけて映画化。長回しで緊張感を持続させたことでリアルな迫力に満ちた作品になった。決して娯楽作ではない、少子化の現代を思えば、未来への警報ともとれるメッセージを備えた力作だ。 主演セオ役はクライブ・オーウェン。ほかマイケル・ケイン、ジュリアン・ムーアがクライブを好サポートしているのも見逃せない。(斎藤 香)
これはこれは!
★★★★★
レンタルでは「近未来SF」コーナーに置かれていたのですが、車が空飛ぶクラスの近未来ではなくリアリティある未来図でしたね。
「突然、人類に子供が出来なくなった」という設定がSFであって、ほぼ現代的な雰囲気です。
わりと軽いノリの序盤からあのラストに辿り着くとは…途中で展開が読めたような気がしますが、だからと言って冷める事もないくらいの求心力があります。
けっこう登場人物がバタバタと死んでいきます…最初の2〜3人は「えぇ!?死んだの」って感じですが、徐々にそれが「ただ一つの新しい命のため」に命をかける人達の命のリレーに感じられてきます。
文化、国籍、肌の色…そんなものを超えて無条件に一人の子供を愛おしく思う人々の姿にはぐっときます。
ラストの長回しシーンはかなり臨場感と迫力がありますが…
しばらくカメラに水滴ついたままだったので、クライブ・オーウェンの目線で映画を見ていた自分には急に現実に戻されてちょっと残念でした。
映像の迫力に酔える人の為の映画
★★☆☆☆
そもそも何故銃撃戦というか、軍隊による殺りくが起きて
いるのか分からないのだが。
不法移民を入国させない為だけに、何故こんなに簡単に
虐殺が起きるのか説明不足だと思う。
一切連絡が取れないはずのトゥモロー号が何故ラストに
出現するのか。これも説明が無い。
人類最後の赤ちゃんを連れて、何故逃げなければならないのかも
けっきょく良く分からなかった。さっさと赤ちゃんの存在を公表して
しまえば、こんな命がけの逃避行をしなくても良かったのに。
「赤ちゃんを政治利用されたくない」という理由だけで、
いったい何人の人が命を捨てたのか?
全体的に説明不足で、物語の中に入って行けなかった。
映像自体は確かに迫力がある。
しかし、このゆっくりした進行でどう物語を決着させるのか、
興味を持って観ていたが。。。
100分で物語は唐突に終わってしまった。
雰囲気に酔える人になら、楽しめる映画かもしれない。
この作品の見所は、長い場面を途切れない1カットのカメラで見せるシーンだ
★★★☆☆
世界的に子供が生まれなくなった近未来が舞台の話。
冒頭で最年少の人類である18歳の男性が死んだというニュースが流れ、
新しい生命が現れない絶望的な世界。
万が一、そんな中で赤ん坊が産まれようものなら
その赤ん坊には世界的に絶対的価値があることになる。
ストーリーとしては割と地味で大きなひねりはない。
この作品の見所は、長い場面を途切れない1カットのカメラで見せるシーンだ。
映画冒頭や車の襲撃場面、ラストの戦闘シーンなど、
非常に巧妙に工夫された撮影方法で
手持ちカメラで延々と主人公たちを追っているような内容が楽しめる。
逆に言うと、その場面以外はこれといって大きな展開はなく、
暗くて重い雰囲気ばかり。
そもそも政府やテロリスト、主人公たちの目的がわかりにくく
それぞれがなぜ敵対しているのかが読み取りにくかった。
ただ、この映画は最初から最後までひたすら主人公とカメラが共に移動し、
主人公が体験したり見聞きした内容のみが観客に伝わるようになっている。
つまりは何がどうなっているのかわからないこと自体が
主人公を追体験できているということなのだろう。
題材は良いが
★★★☆☆
これを見終わったとき、何が言いたかったのかわからなかった。
テーマの軸が安定していない印象があり、演出にもメリハリはなかった。
なぜ、子供が生まれなくなったのかも不明瞭で説明不足感が否めない。
ただ、カメラ長回しによる臨場感は抜群でリアルなドキュメンタリーを見ているよう。
これはただただ映画の中にいるような臨場感を味わう映画だと思った。
ストーリーは二の次で、臨場感のを第一に楽しみたい人にオススメです。
是非大画面&サラウンドで楽しんでください
★★★☆☆
簡単に言ってしまうと近未来のディストピアものですが、町の描写や戦闘シーンなどかなりの臨場感でちょっと「クローバーフィールド 破壊者」にも通じるテイストがあります。
「クローバーフィールド 破壊者」が単にパニックもの+怪獣映画なのに対して、こちらのほうがより社会に対して訴求するものがあるようにも感じますが、何れにせよ一度観てしまったら二度目はあまり楽しめないかな?
だけど絶対に一度は見る価値あります。
本来だったら劇場に見に行くべき作品ですが、DVDでもそれなりに楽しめました。