2000年に発売されたジャンゴの5枚組ボックスセット『The Classic Early Recordings in Chronological Order』の続編として2001年に発表された4枚組85曲入りのボックスセット。前者はフランス・ホット・クラブ5重奏団の演奏が中心。それに対して本作は、ホット・クラブ5重奏団の演奏も含まれているけど、それだけでなく、グラッペリとのコンビを解消後、クラリネットのユベール・ロスタンと組んだ時代の演奏、さらにナチス・ドイツの占領下でビッグ・バンドと共演した演奏など、さまざまな演奏が収録されているのが特徴だ。

   ジャンゴといえばどうしてもグラッペリと組んだ時代の演奏が有名だけど、本作を聴くと、実はホット・クラブ・スタイルだけが彼のすべてではないことがよくわかる。ロスタンと組んだクインテットはベニー・グッドマン的だし、電気ギターに手を染めているのもその一例だ。

   なお、JSPのボックスセットはテッド・ケンダールのリマスタリングによって驚くほど音質がクリアーだが、本作も例外ではない。音も演奏も最高です。（市川正二）