たしかに、これでいいのかも。
★★★☆☆
認知行動療法の理解を深めるためにこのDVD+BOOKを
利用しましたが、このようなやり方やあり方も
ありなのかと「べてるの家」には正直少し驚きました。
(べてるの家の活動を知らない方はまず、関連書籍が
たくさん出ているので何か読んでおくともっと本書を
楽しみながら活用できると思います。)
・セラピストのやり方は一方的(エゴ)ではないか?
・クライアントの日常にしっかり繋がるか?
などの基本を改めて確認させてくるだけでなく、
映像によって実際に、ケアに関わるリーダーたちが
どのように振舞っているかを学ぶことが出来る
貴重な資料の一つだと思います。
グループでのセッションなどをしていない
カウンセラーやセラピストには、今ひとつピンと
こないかもしれないかもしれませんが、
この本や映像を見ていても、やはり人は人や社会
とのつながりで支えられ(癒さされていく)ことを
改めて痛感します。
それにしても、映像に出てくるリーダーたちの
立ち居振る舞いは見事です。明るく楽しく「問題」
に取組みたい人必見です。
臨場感溢れる映像でわかりやすいです。
★★★★★
構成は以下のとおりです。
個人的にはセッションが一番勉強になりました。
1.「べてるの家」のSST 2分15秒
(1)インタビュー(向他地生良さん)
(2)各SSTの紹介
2.服部洋子さんのセッション SSTバラバラの会 9分58秒
リーダー向他地悦子さんが司会
3.「べてるの家」当事者研究 42分14秒
臼田さんの緊急爆発ミーティングに関してのセッション
感情の爆発に関して
4.沖田操さんのセッション SSTこれディーの会 54分39秒
リーダー大濱さんが司会
甘いものの誘惑に関して
5.横浜市鶴見区での講演 1時間14分5秒
べてるの家のメンバーの早坂さん、河崎さん、清水さんの講演の様子
価値観が逆転
★★★★★
私はこの本+DVDを読むまで「妄想があるということは異常だ」と思っていました。しかし、この本+DVDを読んだ後、「正常なのか異常なのかという考え方自体が妄想だ」と価値観が逆転してしまいました。
ただ、このような偏見の解消は、私が今まで「べてるの家」という活動を知らなかっただけのことであって、先に「べてるの家」の活動を知っていれば、もっと早く私の偏見は解消していたのかもしれません。ただその場合、「どうしてこういう活動が成り立つのだろうか? 不思議だなぁ?」という疑問は解消されなかったでしょうし、「素晴らしいな」とは思っても、「どうして成功しているのか」「この成功から自分が学べることはあるのか」ということは、わからずじまいだったでしょう。しかし、一見マジックのように見えるものの裏には「たね」も「しかけ」もあるのであり、そしてこの「認知行動療法、べてる式。」という本+DVDの素晴らしい点は、その「たね」「しかけ」の部分を認知行動療法という視点から、特に「構造化」という視点から解き明かしたことだと思います
すでに伊藤絵美先生の「DVD 認知療法・認知行動療法カウンセリング 初級ワークショップ」や「認知療法・認知行動療法面接の実際」のDVDを見ていたのですが、その際にはまだ「なぜ面接を構造化しなければいけないのか」「なぜアセスメントが重要なのか」ということが十分には理解できていませんでした。しかしこの「べてる式」を読んで、それがすっかり腑に落ちた気がします。
認知行動療法をこれから学ぼうという人にぜひお勧めしたい本だと思います。
これでいいのだ。
★★★★★
本書の帯に,そう書いてある.思えば,バカボンのパパの強さは,心に病を負った全ての者にとって憧れだった.この言葉を求めて我々は彷徨っている.今の世の中,どんなに不満があろうとも,自分の気持ちは口に出せない.なぜなら,そんなことをうっかり漏らそうものなら,すわ,うちの会社は心の病に優しい.明日から仕事に来なくていいから,精神科に行きなさいだ.私の意見に対して、それはお前の妄想だと断じた上司と喧嘩できた時代がひどく懐かしい。病人のレッテルを貼らずに対等に扱ってくれたからこそ喧嘩ができたのだ。
そもそも,ノーマライゼーションという言葉自体が,”健常者”を自称する集団の思い上がりの産物である.彼らは,不老不死という,超一級の妄想に憑りつかれながら,それを当然の権利として追い求める哀れな病者に過ぎないのに,自分達以外を病人と呼び,あたかも自分達の方がはるかに幸せな人生を送っているかの如きドグマを散布し,健康教で世界征服が可能だと本気で信じ込んでいる.
一方,浦河では,精神疾患の”当事者”が持っている”問題”(不安,焦燥感,抑鬱気分から幻覚,妄想といった精神症状から,日常生活の困り事まで含めたあらゆる問題)は,資産であると考えられている.なぜ資産かというと,その問題の解決法を生み出す源になるからだ.いや,そればかりではない.問題解決を議論する過程で,コミュニケーションが生まれ,人と人とのつながりが強化され、問題解決のスキルが共有されていく.
もちろん,どの問題も完全に解決されることはない.共有資源を枯渇させてはならないからだ.「勝手に治すな自分の病気」が,べてるの理念である.浦河には健常者ファシズムは微塵もない.これでいいのだ。
国見書店
★★★★★
べてる印の認知行動療法の本。
べてるの家の、「悩みこそ力」というテイストはそのままに、笑いや協力を積極的にとりいれた当事者ならではの認知行動療法の本です。専門職のヒトこそ読むべきでは。
(DVDもついていて、お得だとおもいますよ)