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日本犬―血統を守るたたかい (小学館文庫)

価格: ¥730
カテゴリ: 文庫
ブランド: 小学館
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愛犬家の恐ろしさ ★★★☆☆
 1997年に新人物往来社から出た単行本の文庫化。かなり加筆されている。終章の岩合光昭氏への取材が書き下ろし。
 秋田犬、柴犬、甲斐犬、北海道犬、紀州犬、四国犬の6つが取り上げられている。飼育している人たちにインタビューしてまわった内容。愛玩犬として扱っている人もいれば、猟犬として実際に山に連れて行っている人もいる。日本犬保存会の展覧会に入賞したような犬も多いが、そうでない犬も。犬への愛の形はさまざまなのだなと感じた。
 全体として、内容がくどい。同じような取材を繰り返し、しかも、最初は雑誌連載だったのだから仕方ないとは思うが、そのあたりは単行本化の時に整理・工夫できなかったものか。また、取材相手にべったりというか、おべんちゃら・お世辞の類が目につく。文章が下手なのも読みにくさを増している。
日本犬がもっと好きになりました。 ★★★★☆
犬は飼ったことがありませんが、近所の柴犬などにしっぽを振ってもらってよく頭をなでてました。犬だけではなく猫でも洋種との交配の結果雑種化が進んでおり、それを憂えている研究者もいらっしゃるそうです。

近代になって交通が発達し、他県との交流が進み、外国の犬まで飼えるようになって、純粋な日本犬は減ってきているようですね。戦争も大きく影響しているそうです(犬は「必要ない」と殺されたので)。

わたしは今まで血統というものにあまり価値を見いだせなかったのですが、こういう場合なら仕方がないかな、と。ある意味絶滅危惧種みたいなものでしょうから。ただ、自分だったら、捨て犬とか行き場のない雑種をつい飼ってしまうだろうし、ショーには出さないと思います。

意気込みは買う。ただし・・・ ★★★☆☆
テレビである犬種が流行ってると聞くと、血統書付きのを何十万も出して買いたがる人と同類の人に向けた、典型的なペット商売本。

冷静に考えれば、日本犬とは、存続が危機になった戦前~戦後ではなく、さらに過去の数千年とかの間に、数え切れないほどの犬種(今で言えば雑種)が生まれては淘汰され、たまたま保存活動が始まった当時に多かった犬種というだけの話でしょう。
例えば、江戸や明治時代に犬種を調整するなんて発想は無かったわけだから。

血統がどうこうって、人間で言えば、"北海道の血統を守りたいから、九州の人間との結婚は許さん"と言ってるようなものでしょ?
優生保護法的な思想が丸出しじゃないですか。
特定の動物を専門に研究する学者ならともかく、普通の一般人が、何で人間以外の動物だと思考停止して、そういう事を簡単に言えるのか不思議ですよ。

あまり読んでいて気分のいい本じゃないですね。

天然記念物としての犬達 ★★★★★
著者が日本各地へ飛び各地方の犬種を取材している。多少値段は高いが、天然記念物、各種日本犬守っていくうえで、本書は良い文献になるだろう。