500ページもあるが、かなり濃密
★★★★☆
前作「はじめの一歩を踏み出そう」は、起業家の心のあり方を中心とした本でした。この本もPART1は精神論です。しかし、ここが深くて理解するのに結構骨が折れます。起業家たる者の持つべき「感覚」をいろいろな表現により表そうと試みています。ここだけでもためになりますが、とても1回読んだくらいでは体得できそうもないほど濃いです。PART2は、いよいよステップ・バイ・ステップで起業指南します。事業計画や経営分析等の勘所をガッチリ説明しています。ここも非常に濃く、読んでいてお腹いっぱいになります。とにかく濃密なので、起業に真剣な人でないと読み通すのがしんどいかもしれません。とはいうものの、普通のビジネスパーソンにとってもがんばって読むだけの価値のある本だと思います。
初めて経営を考えてる人なら損はない教科書的な内容。
★★★★☆
前作「はじめの一歩を・・」を読み、いろいろな事に気がつかされ
続編ということで期待していました。長年、スモールビジネスを
育ててきた著者の知恵と情熱の詰まった良書です。
パート1では、まず起業家としての精神を説き、読者を段階的に起業家へと
引き上げます。(前作のサラと出会います)
そしてパート2からは、マーケティング、財務、マネジメント・・といった
経営者に求められるMBA的な知識の解説になっていおり
経営の入門書としては、わかりやすくまとめられています。
しかし、ある程度MBAの内容について勉強されている方には
新しいものではないと思われます。
ただ、著者は、スモールビジネスにあたって
必要な知識のないままに始めてしまう人が多いこと、知っている
つもりでも、沢山の罠があることを教えてくれます。
そして、苦労を重ねてきた「成功者の告白」的な内容もあり
盛りだくさんです。
多岐が内容にわたるため、若干「もう少しそこを詳しく!」
と思えるところがあります。
まあ、それは専門書で勉強すべきですね・・。
※前作よりもMBA的な内容になっており、魂を揺さぶるような
「熱さ」は減ったので星4つ。(私は、情熱的な内容が好みなので前半が好き)
おや?
★★★☆☆
前作『はじめの一歩を踏み出そう』を先日読んで感銘した
ので本書も手にとってみた。
まずは前作のオチ。なんと、職人から起業家に目覚めたサ
ラは10年後も結局うまくいってなかった!つまり前作を読
んだだけでは必ずしもうまくいかないということ。あの本
を読んで起業に走った人はどうなっているのでしょう。
そこで本作です。相当多くの人が本書を推薦しているよう
です。しかし、おや?パート1では起業家のメンタルな面
に光を当てていますが、なんだか中途半端な印象です。
『停止演習』なるものも心を鍛える技法としてはレベルが
低い。
パート2はよくある経営本と同じ様な箇条書きと図の羅列。
役に立つ部分もあるとは思うが、全体的に抽象的なレベル
に留まる印象を受ける。この本を読んで起業家精神に火が
つくだろうか。また10年後もみじめなサラに再会しなくて
もいいことを祈ろう。
起業家向けの良質なテキスト
★★★★★
「はじめの一歩を踏み出そう」の続編。
前作では書かれなかった「具体的にどうすればいいのか?」までを書いた本。
2部構成になっていて、前半はいかに起業家のモチベーションを高め、
維持するのかといういわゆる精神論、後半は著者が7つのルールと呼ぶ
「リーダーシップ」「マーケティング」「財務」「マネジメント」
「見込み客の創出」「見込み客から顧客への転換」「顧客満足」
について、具体的な経営ノウハウが解説されている。
前半の精神論については、良く分からないというのが正直な感想である。
文化的な背景の違いなのか、著者の信念の問題なのかは分からないが、
日本では受け入れられにくい内容と感じた。
しかしながら、この本の価値は後半部に集約されているように思う。
「はじめの一歩を踏み出そう」では、「事業計画を作ろう」とは書かれていても、
どのようにして、どんなものを作るのかまでは書かれていなかった。
また、「数値化をしよう」「システム化された事業を作ろう」ということが書かれて
いても、どのようにすればいいのかは分からなかった。このような内容が
上記の7つの分野について具体例を交えながら解説されているのである。
前作を読んでもなかなか行動に移せないでいたが、ここまで具体的に
書かれていれば実行に取り組めそうな気がしてくる。
訳者あとがきにも書かれているが、この本は一気に通読する本ではない。
7つのテーマからひとつを選んで、自分のビジネスに置き換えて、立ち止まって
考えながら読み進めなければ、十分な価値を引き出すことはできないだろう。
私は一度に読みきってしまったが、もう一度腰を落ち着けて、読み返してみよう
と思う。
前半部分は腑に落ちない部分もあるが、後半の充実度を評価して星5つとした。