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エンガッツィオ司令塔 (文春文庫)

価格: ¥1
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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「筒井健在」を示す好短編集 ! ★★★★☆
断筆解除後の初の短編集。初期のドタバタSFの色彩が濃く、懐かしい感覚を覚えた。

タイトル作「エンガッツィオ司令塔」は、かつての「最高級有機質肥料」(この時筒井は試食したとの噂が...)の発展(?)形とも言える作品。新薬開発時の被験への風刺と性的倒錯との合体及び倒錯の伝播を試みた点が工夫で、それなりに笑えるが、パワーにおいて初期に見劣りがする。「乖離」は発想は筒井らしいのだが、その後の展開が理に落ちている。また、関西弁を常用しない層にどれだけのインパクトがあるかも疑問。「魔境山水」は中国の仙境を思わせる魔境での、魔物模様を描いたもの。異界の雰囲気だけ漂わせ、物語の説明が無いのが美点。「夢」は老境をテーマにして、筒井が良く用いる夢の重層構造を扱った小品。結末の主人公もまた、夢の中の登場人物かも知れない...無限の循環構造。「越天楽」は七福神を題材にした数行の小話群から成る珍しい構成の作品。思ったより楽しめた。「東天紅」は「越天楽」の続編。駄洒落、地口に偏っているようだが、それなりの出来。「ご存知七福神」は更なる続編だが、"小さな苦労"以外はネタ切れの感あり。「俄・納涼御摂勧進帳」は題名通り「勧進帳」の戯曲仕立てのパロディ。演劇志望だった筒井だけに、セリフと"ト書き"を丁寧に読むと可笑しみが湧いてくる。「首長ティンブクの尊厳」は某国を思わせる架空の独裁国家を舞台に、偉大な忘父を持つ凡首長の悲哀と性的倒錯、軽佻浮薄なマスコミ、拉致問題、「ロボット三原則」ならぬ「人民軍兵士三原則」等がカリチャライズして描かれた筒井らしい秀作。本作で一番気に行った。

全十作中、八作は断筆中に執筆した由。冒頭で述べた様に、作風は初期に近いものがあり、当時からのファンである私には嬉しかった。筒井健在を示す好短編集。
満腹です!ごちそうさまでした! ★★★★★
表題作「エンガッツィオ司令塔」の新薬実験の掛け持ちという設定から生まれる狂気と爆笑、クライマックスの大噴射はまさに、断筆宣言中たまっていたモノが吹きだしたかのよう。壮絶かつ痛快。偉大なる首長さまの生活を描いた「首長ティンブクの尊厳」は、実在の人物・団体・国家に関係ないフィクションの架空国家であるところのズンベラ人民共和国を舞台にした爆笑の逸品だが、血も凍る恐ろしい恐ろしいギャグでもある。巻末に、念のため収録された「附・断筆解禁宣言」インタビューは、断筆に至る理由とその後の顛末を要約していて当時を知らない読者、当時、新聞報道などでしかこの事件を知らない読者にも優しい。 
最近はテレビドラマ等で、プロ俳優業を楽しまれてますが、新作を待つ読者もお忘れ無く!と思わずにはいられないおもしろさでした。
発表当時<現在、な大胆な作品有ります ★★★★★
 表題作の「エンガッツィオ司令塔」。「薬菜飯店」にも通じる大胆で痛快(痛痒?)な作品。エロいしエゲツナいし行っちゃってます。

 「乖離」。近頃朝のワイドショー番組でも夜のバラエティ番組でもやたらとコメンテーターの頭数だけ揃ってますねェ。でもって喋らない人喋らない方がマシな人喋っても中身の無い人etc...

 この作品の主人公はそんなコメンテーター達と全く違います。痛快です。

 「首長ティンブクの尊厳」。文學界平成10年8月号発表作品。単行本が出版された平成12年当時は何気なく読んでました。が、そんな自分が今となっては、何たる無知と恥ずかしくなります。

 喜び組だなんだと「かの国」の情報も漏れ伝えられている今、文庫本化に併せてあらためて読んでみると、その内容たるや塊??まじい。こちらの想像力も倍加されます。
 最初に登場するローラースケートで走り回る下半身だけの存在も、意味なく登場する訳ではないあたりが、筒井作品の味です。

 作品の最後に「附・断筆解禁宣言」が掲載されています。氏の断筆3年3ヶ月の「思い」を皆さんも読んでみてください。

ここまで書いて大丈夫? ★★★★☆
表題が「エンガチョ」からとったものだと気づけば、内容は容易に想像できるでしょう。読む前に心の準備をしましょう。それから、食後に読むのはやめましょう。トイレで読むのも控えましょう。しらふで読むのも勇気がいります。お酒が飲めない人はどうすりゃいいのか。それより、ここまで書いて本当に大丈夫?断筆のうっぷんを一気にはらした問題短編集がいよいよ登場!
断筆解禁後初の一冊! ★★★★★
筒井康隆先生お得意(?)短編集です。この本のタイトルにもなっている
『エンガッツィオ司令塔』は貧乏学生が金持ち女に誕生日に100万円の指輪を
買うため新薬の人体実験で金を儲けるという話です。もう、とり扱ってる
題材から興味をそそられませんか?笑いの筒井節がとめどなく出てると
思いますよ。俗物図鑑のような大胆な文体が面白いです。

是非読んでいただきたい!