「乖離」。近頃朝のワイドショー番組でも夜のバラエティ番組でもやたらとコメンテーターの頭数だけ揃ってますねェ。でもって喋らない人喋らない方がマシな人喋っても中身の無い人etc...
この作品の主人公はそんなコメンテーター達と全く違います。痛快です。
「首長ティンブクの尊厳」。文學界平成10年8月号発表作品。単行本が出版された平成12年当時は何気なく読んでました。が、そんな自分が今となっては、何たる無知と恥ずかしくなります。
喜び組だなんだと「かの国」の情報も漏れ伝えられている今、文庫本化に併せてあらためて読んでみると、その内容たるや塊??まじい。こちらの想像力も倍加されます。
最初に登場するローラースケートで走り回る下半身だけの存在も、意味なく登場する訳ではないあたりが、筒井作品の味です。
作品の最後に「附・断筆解禁宣言」が掲載されています。氏の断筆3年3ヶ月の「思い」を皆さんも読んでみてください。
是非読んでいただきたい!