AC/DCの確実さといったら死や税金並みだ。豪胆さでは上を行くメタリカなどと違って、このオーストラリア出身のメタルバンドは、1973年から一貫して事実上不変の公式ともいえる一つのスタイルにこだわり続けている。『Who Made Who』『Razor's Edge』など90年代のアルバムにこそ多少のぶれが見られたものの、5年ぶりにリリースした『Stiff Upper Lip』は、絶頂を極めた『Back in Black』への回帰となった。ダイナミックで盛りだくさんかつ力強い『Stiff Upper Lip』には、マッチョな空威張りや駄洒落、それにもちろんアンガス・ヤングのトレードマークのギターもぎっしり詰まった、一聴即興奮間違いなしのヘヴィーなクラシック曲が十数曲入っている。いかにも彼ららしいタイトル曲から、もったいぶったHouse of Jazz、そして力強いシンコペーションがたまらないI Feel Safe in New York Cityに至るまで、AC/DCの真骨頂が帰ってきた。 --Katherine Turman