本書の2ヵ月後に同様に再編集した「フランスゴシックを仰ぐ旅」が出版されたが、それと比較すると雑誌から増補した部分が少ないので、雑誌を買いそびれた人、もしくは最近になってロマネスクに興味を持った人に最適な一冊。
内容はブルゴーニュ、プロヴァンス=コートダジュール、ラングドック=ルション、ミディ=ピレネー地方別に代表的な教会数箇所ずつを扱っている。この種の本は、きれいに撮れていない写真を平気でのせている類書もあるなかで本書の写真はハズレがない。他のロマネスク教会の本で写真に不満を持った人は必見の一冊です。
また、文中に著者から友人への手紙形式で書かれている部分が10ページ以上あるので、全ページに美術・建築の解説を求める読者や、図像学の知識を深めたい人には向かない一冊です。
本書だけで考えれば星4~5を付けたいところであるが、雑誌からの増補が少ないので星3つにしました。