The Woman Warrior: Memoirs of a Girlhood Among Ghosts (Vintage International)
価格: ¥1,193
『The Woman Warrior』(邦題『アメリカの中国人』)は非常に辛辣な内容ながら、カリフォルニア州ストックトンで育った中国系アメリカ人の物語をみごとに描いている。
著者M・H・キングストンが、母親から強制的に覚えさせられた中国の「語り伝え」をまとめたものがこの作品である。女の子が軽んじられ、伝統が重んじられる中国では、如才のない、強い女性でなければ上を目指すことはできない。一方、著者の暮らすアメリカは、警察官やソーシャルワーカーたちの白い「幻影」と、中国のものに負けず劣らず厳しい規範(と言っても中身はまったく異なる)が渾然一体となった国である。
タイトルにある女戦士のようにキングストンは、両親に刻み込まれた「家族」に対する十字架を背負っている。それは苦悩のあかしでもあり、苦悩に対する挑戦状でもある。