素直に面白い
★★★★☆
主人公のキャラが非常に斬新で、魅力的だと思いました。
ただ、もうひとつ明確なイメージが掴めなかったところが惜しい。
竜崎の人物像について、生い立ちやエピソードなどの書き込みが
もう少しあってもよかったと思います。
実際に起こった重大な事件に関して明快な解説があり、
それが無理なくストーリーとリンクしており、テンポも良く
素直に面白く読めました。
どう評価したらいいか・・・・・
★★★★☆
犯罪事件を扱った警察小説の主人公なのに、一線に立つ警視庁や都道府県警察でなく、国の行政部門を司る警察庁の(しかも刑事部門でもない)長官官房の総務課長という設定。
私は、最初、こんな肩書きの主人公で「ストーリーが成り立つのか?」と思った。
その懸念はよい意味で裏切られ、同期で小学校の同級生でもある警視庁の刑事部長とのやりとりの中で、物語はどんどん進んでいく。文章は短文で読みやすい。
刑事が犯人を逮捕するような典型的な警察小説ではなく、官僚組織である警察庁のキャリア公務員が連続殺人事件にどう対応していくかという面に中心をおいた小説なので、なかなかおもしろい視点といえる。
そして、警察官僚たちが繰り広げる様々な人物模様はなかなか上手に描けている。
ただ、主人公もその友人の警視庁刑事部長も、人物設定があまりにも作為的で「こんな人はいるかな?」と感じる。ストーリー展開も、2人のやりとりが、くどく感じる部分も多い。
よくできてはいるが、少し変わったタイプの本なので、違和感を感じる人もいると思われます。人によって好き嫌いのある作品と思います。
同一人の人物像の分裂
★★☆☆☆
東大以外は大学ではない。それも法学部以外の学部ではダメだという人間が相も変わらず存在する。現在ではもう古典的エリート意識ではあるが。そういう人間が国家公務員1種試験{以前は国家公務員上級職試験)に合格すると目指すのは、警察庁か国税庁である。理由はその二つはキャリアとノンキャリアの差が著しいからである。キャリアであれば、二十代で警察署、税務署の署長になれる。さらに時が経てばその差はどんどん開いていく。とんでもない差別社会である。さらに主人公はキャリアの中
でも東大以外の大学出身者を徹頭徹尾見下す。そのくせ東大卒というレッテルだけで優遇されるキャリア制度の誤りにちっとも気付かない。陸士・陸大卒、海兵・海大卒の軍事官僚に異様なほど権限を与え結果的に国を亡ぼした経験が全く生かされていない。この本の主人公の愚かさにはあきれてしまう。
そんな経歴を持つ高級官僚の子どもは、小さいころから目標を一つに絞って、ガリガリと受験勉強に励む。官僚の子は官僚になる。それがエリート意識を満足させる方法と親も子も分かっているからである。
東大法学部卒という狭く偏った知識しか持たない人間が本当にエリートに値する人物か?という疑問にこの本は十分とは言えないが程ほどにこたえてくれている。
ただ、この作品に現れる主人公と、続編の「果断」の主人公は同一人との設定であるが、同一人とは思えないほど「果断」の主人公は魅力のある人物である。そういう根本的な、重要な部分でこの作品には瑕疵がある。著者は気付かなかったのであろうか?エリートでもない人間に間違ったエリート意識を持たせる罪の大きさを、不特定多数の読者にどう説明するのだろう。読みやすいとか面白いとかいっている場合では
ないのだ。
皆さんには「果断」を先に読まれることをお奨めする。そのほうが被害が少ない。
かなり魅力的な主人公で
★★★★★
最初はいわゆる推理小説というジャンルの小説だと思って読み始めたのですが、実際は全く違いました。
竜崎という東大卒で国家一種合格の警察キャリア官僚が主人公なのですが、彼の生き様を描いた小説といえるでしょう。
実際、連続殺人事件が起こり、事件を中心に物語は展開しますが、警察長官官房という立場の彼が、実際に捜査に当たるわけではなく、マスコミ対応や警察という組織をどう防衛するかということがむしろ彼の仕事です。
警察の組織防衛とかマスコミ対応をするキャリア官僚の話?と聞くと、どうも感情移入できないと思うかもしれませんが、ここで彼を魅力的にしているのは、彼が、正攻法の人というか、ごまかしのない人、一切ぶれない人というところです。
なかなか組織にいると、おかしいと思っていても、上のいうことに従って信念を曲げざるを得ないことも多いと思いますが、彼は自分が正しいと思うことなら、一切他のことは考慮しません。
例え、自分の家族の問題であっても、決して原則論を曲げないのです。
この小説を読むと、自分も彼のように、正攻法、原則論で生きていきたいなと思い、ついつい応援したくなります。
大変楽しめました。おすすめです。
竜崎を主人公にした話はシリーズ化されていますので、続きを読むことをおすすめします。
隠蔽捜査→果断→疑心
かなり面白かった
★★★★★
いわゆる推理モノではなく、犯人を追いかける熱意が前面に出ているという展開もないような全く新しい警察小説であった。
キャリア官僚の主人公は「東大以外は大学と認めない」などと偏屈な考えを持った嫌な奴だと思ったが、読み進めるうちに中々人間味のある善人であると、当初のイメージが変わったのが印象的。
職場(警察)と家庭と幼少体験などを巧く織り交ぜて話が広がっていくため、中断することができないほど面白かった。
息子の不祥事に悩み抜いて出した結論に人生にプライドを持った本物の男の姿を感じ読後感もかなり良い。
今野氏の作品はたくさんあるので、貪り読みたい。
強くお薦めしたい作品である。
ことばとおとの日々
★★★★☆
主人公の竜崎伸也はバリバリの警察官僚。周囲から変人と言われている。というのも、あくまで(ほとんど場違いな程)正論。なのだが、竜崎の凄いところは、言動完全一致。動く正論。働く正論。なのだ。筋の通りまくった考え方は、いやみを超えてむしろすがすがしい。本作で吉川英治文学新人賞受賞。次作の「隠蔽捜査2果断」で日本推理作家協会賞、山本周五郎賞受賞。こちらもお勧め。きっと竜崎にはまりますよ。
富士山と海風
★★★★☆
新幹線移動、帰り本です!もうこれは、☆5つにかなり近いです!おもしろかったです!!夫が買ってきた本でしたが、帰って来ていた息子、娘にもすすめて、みんなで楽しみました!まだまだ皆さんにすすめています!夫は職場の方に。その方、なんと一晩で読破!「おもしろかったです!」って。やったね!
間宮堂 書籍部
★★★☆☆
こちらも警察を題材にした作品です。′05「このミス」ランク入り。 著者の今野敏氏はこの作品で吉川英治文学新人賞受賞! 「果断」(′07「このミス」ランク入り)が第2弾として発表されてます。そちらもどうぞ!
野に咲く花になりたい
★★★★☆
初めて読む警察物。事件より人物描写が主体で面白かった。竜崎伸也47歳東大法学部卒の警視庁のキャリア組階級は現在警視長。星4つ半
雨の日も晴れの日も
★★★★★
【あらすじ】
警察組織を揺るがす連続殺人が起こった!!竜崎は自分の信念を貫きその事件に立ち向かっていく!
竜崎を始めとする登場人物がとても魅力的です(^ ^)読み勧めるうちにどんどん惹かれていきますよ!
日本部屋
★★★★★
周囲からは変人と陰口を叩かれる警察官僚。いつの間にか年を取ると組織に迎合する事が当たり前になる日常で、ここまで貫き通せるかとスカッと感動しました。
ノンストップ書店
★★★★★
最高に読みやすく、最高に読後間がイイ!
平田健
★★★★★
【仕事とプライベートのバランス】
▼最近、警察小説にはまっています。寝食を忘れて読んでしまいました。
▼事務処理能力・官僚・国家公務員・国のために死ねる・電話一本で駆けつける・上司の質問に答えるために自分で調べる▼忘れがちなことがちりばめられています。
通勤電車で読書堂
★★★★★
主人公のキャラクターが素晴らしい。追い込まれても毅然とした姿がさわやかで、自分もこうありたいと思った。