文句なしに素晴らしい
★★★★★
前作よりも数段面白くなっていて、一気に最後まで読み進めました。
主人公のぶれない考えは、警察官のあり方のみならず、教育論でも
正道ど真ん中を行きます。息子とも真摯に向き合う姿勢も参考になり
社会人として、親として、男としての理想像と思えます。
このような人が官僚、教育者、経営者として日本の確たる位置に
腰を据えてくれたならば、日本は容易に再生するものと思います。
大学受験を先に控える高校生にも読んで欲しいと思います。
とても面白かった
★★★★★
シリーズ2作目の本作品も前作に同様とても面白かった。
元キャリア官僚の竜崎署長(前作で息子の不祥事により所轄に左遷された)は、着任早々立て篭もり事件に巻き込まれる。
マスコミの無責任な報道が流される中、警察組織内での責任のなすりつけあいや部下との関係の悪化、加えて妻の入院が重なり、通常でも多忙な署長職(大半が印鑑の押印であるが…)がさらに多忙になる。
しかし、竜崎の持つ「原則に従って合理的に物事を解決する」信条が奏功し事件は解決に。
本書で特に感動したのは、竜崎を支える妻の存在。
転勤が多く、不規則な勤務時間、多忙な夫を支える芯の強さに感動した。
警察小説でありながら、意外な事に本書を読んで妻をはじめ自分を支えてくれる人達にも感謝の念が湧きあがってきた。
どんな人間でも周囲の支えがなければ立派な仕事ができない、という教訓を思い出させてくれた気がした。
警察内の造詣の深さに感心
★★★★☆
待ちに待った「隠蔽捜査(2)・果断」の文庫化です。前作を読んでいて、この2作目が数々の賞を取っていたので、期待して読みました。
読み始めると、あっという間に事件が起こり、あっという間に事件は解決します。
なんだ・・・これは、この後は官僚の間での責任云々だけのストーリーなのか・・・。と思ったら、それだけではありませんでした。
意外と思われる事実がどんどん判明していきます。
読み終わると、その前半のストーリーの中に実は伏線が張られていたことが後から分かってきます。
ただ星を一つだけ減らしたのは、あまりにも予定調和的に終わった点と前半に竜崎とPTAとのやり取りなどがいまいちしっくり来なかった点です。
ただし、それを省いてもあっという間に読めますし、筆者の警察内などの造詣の深さに感心しました。
文章が稚拙
★☆☆☆☆
とにかく常套句の羅列で、文章が稚拙だと感じた。
何度も出てくる同じ言い回し(「微笑んだ」等)、ベタなテレビドラマのような場面構成。
発想に多少目新しさはあるものの、雑な描写に心奪われ、集中できなかった。
登場人物も、ステレオタイプで書き込みが浅い。魅力を感じるには至らなかった。
すごく面白いからと勧められて読んだので、残念。
レビューの評判も良いし、賞もとっていらっしゃるので、
何か読み間違っているのだろうかという気にすらなってくるけれど。。
私はつまらなかったです。
出来不出来の激しい作者の出来がいいほうの作品
★★★★★
この作品は先にテレビドラマで見て、大体のあらすじはわかっていたのであるが、
最後まで一気に読ませてもらった。
今野敏は、作品の出来不出来が激しいが、この作品は、
山本周五郎賞の名に恥じない作品。
隠蔽捜査シリーズで今野敏のファンになった方は、
名前買いせずに、レビュー等で評判を確かめてから読むことをおすすめする。