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物語ラテン・アメリカの歴史―未来の大陸 (中公新書)

価格: ¥903
カテゴリ: 新書
ブランド: 中央公論社
Amazon.co.jpで確認
かなり駆け足な印象 ★★★☆☆
あくまで入門書としてなら合格点だが、やはりこの分量でラテ
ンアメリカを描き切るには無理がある印象だ。

特に近、現代史に不満が残る。サンタ・アナ、ディアス、スト
ロエスネル、ペロンら各国の独裁者はそれだけで1章割けるく
らい個性的な人物だと思う。是非国別で同じような本を出して
ほしい。
現代社会の坩堝 ★★★★★
なかなか勉強する機会がなかったラテンアメリカの歴史をしることができました。

モンゴロイド、白人、黒人がいりまじった社会を形成し、現代社会の坩堝と化しているラテンアメリカ。
そこから、新しい文化のいぶきを嗅ぎ分けるには、歴史を知ることが手がかりになるだろう。

気候、風土、資源、ラテンアメリカをしるのに、この3要素にもっと切り込んでもらえるとうれしいかもしれない。
ラテンアメリカに対抗する文化は、中東のイスラム社会だろう。

さらに、インドと中国の4つを加えれば、BRICSのブラジル、インド、中国の3つの主要国が押さえれたことになる。
短時間でラテン・アメリカ史を概観できる好著 ★★★★★

 インカやアステカなどの中南米文明を専門とする東大名誉教授が書いたラテン・アメリカ史。中公新書ならではと思わせる、コンパクトでありながら内容の濃密な一冊です。

 本書はまずゴンドワナ大陸から南アメリカが分離し、ローラシア大陸から別れた北アメリカとつながっていった2億5000万年前から説き起こします。
 それに続くのは、アジアから渡来した民族が各地に定着し、他の文化圏からの影響をほとんど受けず固有の文化をはぐくんでいった15世紀までの時代。
 さらに、コロンブスの大航海から始まったスペイン・ポルトガル文化の侵食によって形作られたラテン・アメリカの黎明期。
 そして17世紀以降、スペインの黄金時代に陰りが現れ、やがて他のヨーロッパの列強の影響力が増大する時代。
 最後には20世紀、アメリカ合衆国の経済支配が決定的となった現代。
 こんな具合に時代区分しながら著者は、ラテン・アメリカの歴史を短時間で概観できる読み物に仕上げています。

 ラテン・アメリカ史を彩る様々な政治家・経済人・革命家などを具体的なエピソードとともに紹介していて、読んでいて飽きることがありません。
 
 また、エンコミエンダ、千年王国思想、クリオーヨ、カウディーヨといったラテン・アメリカ史を特徴づけるキーワードと共に歴史を切り取ってみせるところも、決して衒学的ではなく、門外漢にも理解が進む方法で綴っているところが魅力的です。

 本書が著わされたのは1998年。既に10年以上がたちました。この間、ペルーのフジモリ大統領は政権を失い(2000年)、ベネズエラのチャベス大統領はあからさまなまでの反米姿勢を示し、ボリビアでも反米モラレス政権が誕生(2005年)しています。
 一方でキューバのカストロは病を得て(2006年)、公の席に姿を現すことも少なくなりました。

 著者には21世紀のラテン・アメリカ史を加えた改訂版を期待したいところです。
日本人にとってラテン・アメリカとは? ★★★★★
私達にとって、この地域は解っているようで実は殆ど解っていないようなところではないか?幾つかの国名、独特のダンス・ミュージック、謎めいた古代文明の痕跡といったものはよく知られていようし、ここには古くから日本人移民が多く、日系人大統領まで出現した国もある。にもかかわらずトータルとしては何か隔靴掻痒な思いも禁じ得ない。この本は中南米の通史を語ることで、この隔靴掻痒感をかなり解消してくれる働きがあるようだ。当たり前の事かもしれないが、ラテン・アメリカは著しい混血性によって特徴づけられている。ここに深く関与した欧州諸国はスペイン、ポルトガルだけではない。オランダもイギリスもそうだし、もちろんアメリカも同様である。さらに原住民インディオ、アフリカから連行された黒人たち、こういった諸民族が複雑に混淆している。メスティソ、ムラト、或いはアウディエンシア、エンコミエンダ、カウディーヨ、クリオーヨといったこの大陸ならではの言葉と存在がペルソナ(仮面)のごとくに浮かび上がり、舞い踊っている。シモン・ボリヴァル、トウーサン・ルヴェルチュールといった人名も。これは未来への偉大な可能性なのか、単なる華やかな混沌に過ぎないのか・・・。とにかく解ってるようで解らないこの国々への入門書として本書は良い出来映えだと思う。
したたかなラテン・アメリカの人たち ★★★★★
南米大陸の古代文明はコルテスとピサロの征服によってスペイン化・ポルトガル化・カトリック化するのであるが、被支配階級の人たちのしたたかさは既に、アステカ王モクステーマの威厳、インカ王アタワルパの勇敢に現れている。新大陸原住民とアフリカから連れてこられた黒人奴隷を白人が搾取し、イベロ・アメリカという社会構造が成立する。近世の独立運動も新大陸の白人系の支配階級の母国スペインに対する反発という性格が強く、原住民、黒人、メスティソ(原住民と白人の混血)、ムラート(黒人と白人の混血)から構成される底辺の一般庶民の解放運動とはおもむきが違う。今日の南米の政情不安もその現われだろう。それでも彼らはカトリックを受け入れつつ古代からの風習を絶やさずしたたかに生きている。