最後のほうになって事件の本質が見えてくる構成は、まるで昨今の推理小説を読んでいるようである。事件の裏に見える、本当の家族の幸せとは、という問いかけ。押し込み強盗の過去に絡んだ殺人事件に見えながら、これもやはり男と女の物語であった。夏の盛りに物語は始まり、晩秋に終わる。