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雷撃深度一九・五 (文春文庫)

価格: ¥660
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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思わず「土方艦長!」と叫びたくなるお話…映画ローレライが良いと思われた方にはお勧めです。 ★★★★★
映画「ローレライ」の役所広司の「沖田艦長」ぶりがツボにはまる方には、
是非にこの本もお薦めしたいです。

ネタバレは避けますが、ローレライが、モチーフがヤマト+逆襲のシャアであったとすれば、
(製作者がそう言っているのだから、間違いなし)
この本のモチーフは「さらば宇宙戦艦ヤマト」でございます。

分かる方には、思わず、「ひ、土方かんちょおお…」と涙、涙となること請け合いです。

しかるに,そういうことを抜きにしても、この一冊は海洋小説、潜水艦小説として、出色の出来です。

内容については,帝国海軍潜水艦イ58が米国重巡インディアナポリスを終戦間際に撃沈したという「事実」を題材にしてはおりますが,
その他は99パーセント創作であることを前提にお楽しみ下さい。
それでも,いわゆる凡百の「架空戦記」ものには堕しておりませんから,ご安心を。
完全に欧米の伝統フォーマットに則った由緒正しい「海洋小説」です。

海外物の海洋小説を読んでいて、どうにも何故か腹が立つ方がいらっしゃいましたら、
是非、これをお読み下さい。
まさに、日本人のための日本人による第一級の海洋小説でございます。
今更ながらですが、かなりお勧めです。


潜水艦という密閉空間における孤独な戦い ★★★☆☆
潜水艦を舞台にした戦記物です。
内容は、『終戦のローレライ/福井敏晴』に似ていると思いました。
もちろん出たのはこの作品の方が先ですし、こちらの方がより本格的
な戦記物です。だって、終戦のローレライはガンダムだもんね。

潜水艦という密閉空間における孤独な戦いが、手に汗握るタッチで
書かれています。漏水や火災、酸素の消費といった、敵と戦う以前に
対処すべき問題が多数あるのですから、厄介な乗り物です。
でも、そこが潜水艦の面白い所でもあります。

ところで、この艦長は優柔不断ですね。
問題を先送りにしてばかりいるように感じられます。
そんな事だから途中で拾った爺さんに指揮権を取られたりするんですよ。
潜水艦で指揮系統が二重になったらまずいですよ。
もっとしっかりして欲しかったですね。

回天の運用をめぐって、国粋主義に凝り固まった乗員と艦長たちが
もっと激しく対立するなど、人間模様を書き込めば、物語に深みが出た
のではないでしょうか。
太平洋戦争に扱った稀有な戦記エンタテーメント小説 ★★★★★
太平洋戦争を扱った戦記小説というと悲壮感が漂ういかめしいノンフィクションか、架空の設定の元に描かれた破天荒で脳天気な架空戦記小説と両極端な印象がある。そうした中、本作は歴史的事実に立脚しながらも、エンタテーメントとしても優れた戦記小説になっている。

太平洋戦争末期の日本海軍の潜水艦を扱った小説というと、福井敏晴の「終戦のローレライ」を彷彿とさせられる。「ローレライ」が完全なフィクションの世界だったのに対すると本作は、1945年、アメリカ本土から原爆を運ぶ米海軍巡洋艦インディアナポリスを、日本海軍の伊58号潜水艦が撃沈した史実に基づき、日米の双方の視点から描いたものになっている。著者の後書によると、「半分が史実」ということで、残り半分は架空の設定や筋運びであることは断っておきたい。

サイドストーリーとして挿入される東シナ海をいく日本軍の輸送船団とそれを護衛する旧式護衛艦の悲愴なエピソードは、さながらマクリーンの名作「女王陛下のユリシーズ号」を思い出させるような展開。伊号潜水艦にたまたま乗り合わせる日本海軍の予備役艦長とインディアナポリスの艦長が因縁をもった関係だった、というのはいかにも月並みだが、この手の小説には敵味方のライバルという設定は欠かせないだろう。

制空権をもち優秀な対潜兵器を備えた巡洋艦に対し、潜水艦がいかに対抗するのか?一昼夜以上に上る無音潜行(トイレも使えず、空気清浄機も動かせない)の描写、足が遅い潜水艦がいかに有利な射点を得るべく機動していくのか? 日本海軍の誇ったと言われる酸素魚雷の弱点などなど納得感のあるディテールの描きこみもすごい。

悲愴な覚悟で出航する伊号潜水艦の乗組員や、圧倒的に不利な状況でも果敢に立ち向かう護衛艦の戦いに感動する。一方的に日本軍サイドから描いているわけではなく、原爆の輸送という特殊任務を帯び、単独航行を余儀なくされるインディアナポリス側も艦長をはじめ人間が描かれる。

戦いのディテールに比べ人物の描きこみがややあっさりしているといった感じも受けたが、けっして見劣りするわけではない。

脅威の戦闘。。。 ★★★★☆
感心しますねえ。ただ一つ言っておきたいことが。。
この物語の設定は現実にあった事ですが、より面白くするために筆者が架空の人物を入れています(アメリカ側の人物は実名日本側は仮名)のようです。この本を読んで、歴史にもし!は無いけれど、もしこの船を撃沈していたなら原爆投下が遅れるかもしれなかったり、それにより終戦が遅れて伝説となってしまった試作戦闘機やら攻撃機やらが実用されていたかもしれないと思うとummmmと唸ってしまう。。。