堀達之助の生きざま
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ペリー来航から開国、戊辰戦争に至る激動の時代を、堀達之助という一人の通詞の目から描く。黒船が来た時の首席通詞を務め、日米交渉にも携わりながらながらも、思いがけないことから投獄され、その後初の本格的な英和辞書を編纂する。その後は函館でアイヌ人骨盗掘事件や函館戦争にかかわるなど、波瀾万丈の人生を送り、再婚するなどひとりの男としての人生を送る。
日本独自の江戸システムから西欧的国際体系へ、オランダ語から英語へ、幕府から明治政府へ、あらゆる意味での変革期を生き抜いた彼の通詞として、また男としての生き方が描かれる。
中学生が電子辞書をおもちゃのように扱う今日、荒波にもまれた人生を顧みるのも意義深い。