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読売新聞朝刊一面コラム「編集手帳」〈第14集〉 (中公新書ラクレ)

価格: ¥798
カテゴリ: 新書
ブランド: 中央公論新社
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昨今の世相を巧みな包丁さばきで料理してくれる名コラム。うまいもんだなあ ★★★★★
 限られた字数の中、毎日、これだけ読ませる文章を書いているということ。話題に適した詩や俳句、川柳などを引っ張り出してくる博識もすごいし、時節の話題をすっすっと、巧みな表現と分かりやすい言葉を使って料理していく手際がすごい。これはもはや、名人芸と言ってもいいのではないでしょうか。タイトルの付け方も上手いよなあと、色んな点で感心させられました。

 2008年の1月から6月まで、読売新聞朝刊の一面、「編集手帳」のコラムを収録した新書版サイズの一冊。1月1日〜3月29日付けのコラムの字数が、およそ540字。3月31日以降のコラムの字数は、それより77文字分減って、463字ほどになっています。

 特に印象に残ったのは、次の三本。
◎一枚の「幸福」(1月15日)・・・・・・引用された吉野 弘の詩のたたずまいが、文章の隅々まで浸透している。胸にじんわり、染みた一本。
◎茅乃(かやの)さんの思い出(2月5日)・・・・・・最後の一節、<62年余を経て家族がそろう天上の団欒>というところ。思わず、目頭が熱くなった。
◎春の空に(3月11日)・・・・・・北京五輪に行けなかった「Qちゃん」に宛てた、ラスト二行の素晴らしさ。<涙の雨はいつか乾く。翼の傷もいつかは癒える。季節がどう移ろうとも、青い空は消えてなくなりはしない。>