ファースト・シングル曲「Burn, Burn」はレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン風。ティーンの苦悩を描いたキャッチーなアンセムで、リフが深い余韻を残す。異彩を放つセカンド・シングル曲「Last Train Home」では、ロストプロフェッツのアメリカの友人たち(たとえば、ゲスト・ヴォーカルとして参加しているグッド・シャーロット)を食いかねない熱いエモが展開。何より、デビュー・アルバムで見せてくれた実験への意欲が、この『Start Something』でも失われていないのはうれしい。「I Don't Know」や「Goodbye Tonight」などは、アット・ザ・ドライヴ・インを始めとする近年のアメリカのハードコア&エモのパイオニアたちを思わせるほどだ。ヴォーカルのイアン・ワトキンスの声も鍛えられ、ますますフェイス・ノー・モアのマイク・パットンに似てきた(これは誉めているのだ)。もちろん、25歳以上で『Start Something』の曲や感傷に付き合うひまがあるという人はあまりいないだろうが、ロストプロフェッツや本作を聴くべき何百万人ものロック・ファンたちが、そんなことでムキになるとは思えない。(Ted Kord, Amazon.co.uk)