“6人の退屈した子どもたち=旋律―攻撃性―情動―活力―知性”。ロストプロフェッツのCDのブックレットにはこう書いてある。ここには出てこないが、次の文句も入れておくべきだろう――“インキュバスが好きなら、ロストプロフェッツも気に入るはず”。インキュバスはアメリカのニュー・ミレニアムを代表するニュー・メタル・バンド。ロストプロフェッツはイギリスのバンドだが、インキュバスと共通する部分を多く持っている(あそこまで考え抜かれたサウンドではないにせよ)。インキュバスのヒッピー的な熱い雰囲気、クリードのような誠実さ、フェイス・ノー・モアの奇怪さとシンコペーションをごちゃ混ぜにしたような作風は、革新的とはいかないまでも、売れ筋と言えそうだ。
ヴォーカルのイアン・ワトキンスには個性と情熱があり、バンドの演奏にはイキのよさとダイナミズムがある。ターンテーブル、ループ、キーボードが、メロディックで風変わりなロックに深みとヒップ・ホップ的な味を与えている。ここに並んだ11曲は、すべてが深遠でユニークなものとは限らないが、どれも例外なく激しくて力強い。(Katherine Turman, Amazon.com)