ビジネス世界では、内外の複数の当事者とともに課題を解決するための最も効果的な方法を発見することが求められる。そこで正しい意思決定や問題解決を可能にしてくれるのが、システム・シンキングということらしい。
本書は、直面している困難な問題に取り組むべく、システム思考の基本的な考え方と全貌を豊富な図解(主に時系列変グラフ、因果ループ図)とともに紹介している。まずシステムとは何かを説明し、システム思考の重要性を述べた後、複雑なシステムについてケーススタディーをもとに学んでいく。章の終わりには、アメリカのビジネス誌に掲載された電力会社の経営、価格プロモーションの問題などの最新研究をもとに作られた演習問題が用意されており、学んだことを即実践できるように配慮されている。付録として、さらに学びたい人のための追加演習や解答例、用語集もあり、充実した内容になっている。(依田泰典)