寝不足の長期化は、脳内セロトニンの減少で心を蝕む。
★★★★☆
「睡眠と脳」の関係について、「夜ふかし」の視点で科学的に解明されていることに関心を寄せました。
子どもの能力の発達には、睡眠が重要であると説かれている。
夜型社会は、大人だけでなく、子供たちの心にも影響を及ぼしているようだ。
p78「中学三の八割以上が午前〇時以降に就床」とある。
睡眠不足が、人の体に及ぼす悪影響が、かなり詳細に述べられています。
今日(2010年3月17日)、NHKラジオ第1「私も一言!夕方ニュース」で、「お父さん 眠れてる? 〜働き盛りの自殺予防〜」が話題になっていました。
年間3万人を超える自殺者、「うつ病と寝不足の関係の話題」から、この本を思い出しました。
寝不足になると、脳内のセロトニンが減少するそうです。
その結果、短気になり、暴力的になったりもする。
これは、子どもの資質に関わる事だけではなく、大人にも影響することです。
「第四章 夜ふかしとセロトニン 二四時間社会がもたらす障害」は、特に、一読の価値があります。
サブタイトル「子どもの心と体を壊すもの」は、「寝不足が、人の心と体を壊すことを解明」の気持ちで、眠れない人に、ひとりでも多くに読まれることを祈ります。
妊娠のお祝いに最適な一冊です。
★★★★★
私は2歳になる子供の父ですが、この本を読んだことにより
これからの子育てを真摯に見直そうと思いました。
確かに内容は部分的に回りくどく感じる箇所が無いわけではないのですが、
全体を通して、夜更かしが子供に与える悪影響を科学的にわかりやすく教えてくれます。
一度読めば今後の子育ての大きな参考になるものと感じました。
妊婦さんに出産前から子育ての参考の為に贈ってあげたら
のちのち大変喜ばれる贈り物になると思います。
子どもの夜ふかし=回復不能な後遺症
★★★★☆
子どもの睡眠についての第一人者が著した新書。現代社会が子どもの睡眠に悪影響を与えていることが、力説されている。
なかでもインパクトがあったのは、「幼少期にセロトニン活性が十分に高められない場合、その影響が脳機能全般に及ぶ可能性を考えることができよう」という、「低セロトニン仮説」を、神山先生は提唱されている。幼少期の夜ふかしはこの時期に重要なセロトニンやメラトニンの分泌を障害し、おとなになっても回復不可能なとりかえしのつかないダメージを脳に残すという仮説だ。
子どもを学習塾などで夜ふかしさせてしまっているご両親や、これから子どもを持とうとしているかたには、一読をすすめたい。少なくとも同業であるわたしには、同感できる部分が少なくなかった。
夜更かしは良くない
★★★★☆
夜更かしが脳に与える影響が
詳しく書かれています。
前半は睡眠と脳科学を忠実に
議論しているのですが、後半は
睡眠から離れて脳科学の全般的な
内容になるのが残念に感じました。
最後までタイトル通り、
睡眠と脳科学で貫いてほしかったです。
納得感高い
★★★★★
我が子の学級でも集中できない、落ち着きがない、ぼーとしている生徒があまりに目立つ。
突然、教室を飛び出したり、授業中平気で寝ていたり、おおよそ30年前には想像もつかな
かった事態が発生している。(小学校一年生なんだけど)
各親御さんの家庭に遊びに行って気づいたことだが、
・勉強ができて集中力のある生徒のご家庭ではテレビをほとんど見ない
・授業中、落ち着きのない生徒のご家庭は、常にテレビがついている or ゲーム機がある
といった傾向が見られた。そもそも客人が来ているのにテレビに気をとられるなんて、失礼
な話なんだけど。
一方で、親御さんの特徴として
・比較的、富裕層のご家庭はテレビやゲームより本をたくさん与えている。テレビの弊害に
ついてかなりの知識を持っている。ゲームより外で遊ぶことを推奨している。
・テレビ漬けのご家庭は、話題がドラマかバラエティーか、血液型性格診断に偏っている。
しかもテレビの情報やゲームには無防備。比較的、低所得者が多い。
といった傾向が感じられた。(地域性もあるでしょうけど)
結局のところ、夜更かし=長時間のテレビ(orゲーム、DVD、ネット)なわけで。
そりゃ、どれだけ学校の先生が頑張ったところで、家族そろってテレビばっかり見てりゃ、
学級も崩壊するというもんです。本書の主張と我が子の学級の現実が見事にリンクしてます。
読んで納得しました。
本書はテレビ大好き&テレビ信者の方の評価は低いでしょうけど、課題意識のある方の評価
は高いんじゃないでしょうか?まぁテレビ信者の方は、自らのウィークポイントについて
書かれている本など見たくもないでしょうけど。