稲村ガ崎ふたたび
★★★★☆
『季節の記憶』の続編。もう一度、クイちゃんや美沙ちゃんや中野に出会える。一年後の彼らは「子どもだったパパの写真」や「娘を連れた同級生に声を掛けられた話」をきっかけに「時間」や「世界」について語り始める。しかし新聞連載だからか、二番煎じの感が否めない。この作品で印象的だったのは、「童謡『サッチャン』で、『(遠くへ行くサッチャンは)だけどちっちゃいからぼくのことをわすれてしまうだろ』という歌を聞いたときに感じる『かなしさの中心』は他でもないサッチャンなのだ」という一節だ。茶々丸の去就と重なり合ってハッとさせられた。挿絵つき。