詳しすぎる
★★★★☆
個々の出来事は詳細なのだが、全体像がつかみにくい。地図が豊富なのが救いか。あとがきでも第一章の「戦争の原因」におけるヨーロッパの政治的葛藤を記述した部分は、当時の歴史に一応の知識を備えたものにしかわからない楽屋落ちの表現が多く、その意味では舌足らずであるため、編集部の努力により別の解説ができあがったと。したがってまずはその解説から読んでいただく順序となったと打ち明けている。予備知識がかなり必要。
戦略論のベースだと思います
★★★☆☆
リデル・ハートの戦略論は、いわゆる「間接アプローチ」という概念を徹底的に押し出しています。この事を「戦略論」として考えると極めて極端な説だと感じていました。しかし、この第一次世界大戦を読んで、彼の戦略論のベースはこの第一次世界大戦の経験と考察がベースになったんだと感じます。人間の命をひき肉のように消費してゆく塹壕戦をいかに避けるか、という考察の結果間接アプローチという歪んだ概念に行き着いたのでしょう。
なお、本書の内容については、第一次世界大戦の知識を持っている人に対して彼自身の見解を述べています。そのため、この本を第一次世界大戦を知るために読もうとする人にとっては、何を書いているか理解できないと思います。第一次世界大戦に対するリデル・ハートの見解を知りたい人にとって価値のある本だと思います。
長編です
★★★★☆
かなり長編なので、根気よく読み進まないと厳しい本です。よく地図を読み込んでから進まないと、どこの話をしているのだかさっぱりと理解できません。将軍レベルの戦術的な視点が多いように、私には解釈できました。WWIのUボートの資料としても秀逸です。