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東京奇譚集 (新潮文庫)

価格: ¥420
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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物語の中にある大切な言葉 ★★★★★
「自分の気持ちを形にしてみること」1話目で出てくる言葉です。ホントに大事なことですね。あと一歩踏み出せない、思うばかりで実行しない。そんなことは誰にでもあるはずです。この章の最後の3行も良いですよ。偶然?みたいに感じることに助けられたときはいつも思い出してしまう言葉です。心に響きます。読む価値ありです。最後の章:品川猿は主人公が分かっていたけど向き合わなかった自分の過去の事実とやっと向きあう機会を与えられる話だと思います。全ての主人公がとても魅力的で全ての話に素敵な言葉や表現があり参りました!大切な作品です。
読みやすくて軽妙で設定が洒落ている。ただ軽すぎるきらいがある。「品川猿」は秀逸。 ★★★★☆
村上春樹が人気作家であるのは、この短編集を読むとわかる気がする。読みやすくて軽妙で設定が洒落ているから。次の短編を読み終えた後、その前の作品を忘れてしまうほど、軽いとも言える。

偶然の恋人:街中で出会った女性が乳がんの再検査を告白すると、10年来あっていない姉にふと電話をかけ、姉も明日乳がんの手術をすることになっていた。日常におこる偶然をモチーフにした小説。ただ、前半に村上本人が登場して偶然ネタを紹介するが、その導入が後半とうまく結びつかず、浮いた印象を持った。

ハナレイ・ベイ:ハナレイ・ベイでサーフィン中サメに足を食いちぎられショック死した子供の母親であるサチが、ハナレイ・ベイと日本の生活を繰り返す。彼女がハナレイ・ベイで出会ったサーファーとのやり取りが続く。サチの性格がさっぱりしていて小気味よい。

どこであれそれが見つかりそうな場所で:メリルリンチのトレーダーのくるみざわさんが母の部屋に行った後に失踪した。その後奥さんが探偵に依頼をかけて調査を進めていたところ、何だが知らないが仙台で発見されたという話。すぐ忘れてしまった。

日々移動する腎臓のかたちをした石:キリエという魅力的な女性が登場するのが、本短編の最大のウリであろう。

品川猿:本短編集5作品の中で一押し。主人公のみずきが自分の名前だけを忘れてしまうという奇妙な病気にかかる。その後区役所の「心の悩み相談室」で坂木哲子という自称プロのカウンセラーに出会う。坂木哲子の執拗なヒアリングから、松中優子という自殺した女性が浮かび上がる。設定といい、ストーリー展開といい、結末といいよく練れていて感心してしまった。このような作品をたくさん書いている作品であれば、読み漁ってみたい。
喪失の世界 ★★★☆☆
見慣れた世界の盲点に消えたものたちの不可思議な5つを集めた短編集です。肉親の失踪、理不尽な死別、名前の忘却…。何かを喪失した人々が、都会の片隅で迷い込んだのは、偶然と驚きにみちた世界だった。
喪失によって開かれていた扉が閉ざされ、それでも何とか折り合いをつけてまで生きていかなければならないのでしょう。


「かたちのあるものと、かたちのないものと、どちらかを選ばなくちゃならないとしたら、かたちのないものを選べ。それが僕のルールです。壁に突きあたったときにはいつもそのルールに従ってきたし、長い目で見ればそれが良い結果を生んだと思う。そのときはきつかったとしてもね」
一つのフレーズを見つけるために ★★★★★
 「1Q84ブーム」の中、あえて古い本を読んでみました。(ひねくれもの)
 物語の終焉が叫ばれて久しく、筆者の著作や一部の書籍は別として出版業界は構造不況から逃れられなくなっている。(少しは高給取りの社員から給料削ればいいのに(笑))
 
 それはともかく。

 私が小説を読み続ける理由の一つにひとつのフレーズ、一つのものの見方を得るためということがある。(だからといって、何か実利があるわけではないのですが)
 例えば、本書でいえば以下のようなものです。

「偶然の一致というものは、ひょっとして実はとてもありふれた現象なんじゃないだろうかって。・・・・空を見上げても何も見えません。しかしもし僕らの方に強く求める気持ちがあれば・・ひとつのメッセージとして浮かび上がってくるんです」(偶然の旅人)

「たとえば、風は意思を持っている。私たちはふだんそんなことに気づかないで生きている。でも、あるとき、私たちはそのことに気づかされる。・・・わたしたちはそういうものとともにうまくやっていくしかない。それらを受け入れて、私たちは生き残り、そして深まっていく」(日々移動する腎臓の形をした石)

「嫉妬の感情を経験したことのない人に、それを説明するのはとても難しいんです。・・・それは、実際のところ、小さな地獄を抱え込んでいるようなようなものです」(品川猿)

 本書も水準の高い短編集に仕上がっています。ご一読を。
5-1 二割。 ★★★★☆
五編の短編集だが、一本だけは面白かったです。

唯一の一本は、マンションの階段の途中で失踪してしまう話。
あらゆる登場人物に想像力をかきたてられ、なおかつストーリーそのものも想像力なしには成立しないもの。
しかも私が得意なイマジネーション分野というか非常にハマりました。

猿の話は導入部は物凄い興味を惹かれました。

ゲイの話とハナレイベイに関しては駄作です。
非常につまらない物語でなぜにわざわざ五編の中に入れたのかわからんほどです。
なんというか、特に奇譚でもなく話がハッキリし過ぎてます。

でも読後感は、あら?五編だけだったっけ?
という感じがしたので盛りだくさんではありました。