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神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫)

価格: ¥529
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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阪神・淡路 ★☆☆☆☆
 編集者は、村上春樹の作品でなければ稿料など払いたくないのではないだろうか。連作ということであるが、どれも感心しない。「かえる」など特にレベルが低い。子供向けなのか?この作品だけで村上氏を評価するものではないが、お勧めできる出来とはいえないだろう。
(村上春樹らしくなく?)小説の最後に’救い’がある作品。 ★★★★★
短編が全部で6つ収められている。その全てが、あの阪神大震災のあとの話。しかし、あの地震とは直接的にはあまり関係のない話がほとんど。でも、あまり関係は無いんだけど、登場人物の誰かがその日常の中に、あの地震と何かしらの関係を持っていて、その関係性の距離感が現実味を感じさせてくれた。村上春樹の世界観にぐっと引き込まれてしまった。

 特に『蜂蜜パイ』は良かった。
淳平と高槻と小夜子。大学時代からの友人同士の3人。
小夜子の娘、沙羅に、淳平が物語を語る。それは熊の’まさきち’と’とんぺい’の話。’まさきち’は蜂蜜を取るのがうまく、’とんきち’は鮭を取るのがうまい。二人はお互い助け合うことのできる親友同士。だけどある日突然、川から鮭がいなくなる。’とんきち’は鮭を取ることができなくなって、’まさきち’に引け目を感じるが、、、。
 小説の最後に(村上春樹らしくなく?)’救い’がありました。読んで良かった、と思える作品でした。
暴力の影、意思の力 ★★★★★
6つの短編から構成される短編集です。
登場人物は彼らの住む地から遠く離れた阪神淡路大震災の影響を何かしらの形で受けています。
そういう意味では地震をkeyにした連作短編集と言えます。

全ての物語には通奏低音のように暴力の影が垣間見られます。
それはみみずくんや地震男のようなものから、心の奥底にある白くて固い石、
釧路のホテルで感じる圧倒的な暴力の瀬戸際まで様々な形で登場人物達の前に現れます。
様々な暴力は彼らに影響を与え、損なおうとします。
その力は(地震のように)強力で、個人の力ではどうすることもできないように思えます。

それでもこの小説が読む人の心を打つのは、決して絶望だけを見せているわけではないからだと思います。
圧倒的な暴力を見せられても、それぞれの思いで抗い、戦おうとする意思の力を(まさに絞り出すような思いで)現出させます。

村上春樹さんの作品は全て読んでいますが、作品のレベルの高さ、伝わるメッセージの強さもあって1番好きな短編集です。
未読の方はぜひ読んで欲しい1冊です。

(ちなみに作品の中で異色なのは第1話「UFOが釧路に降りる」です。
主人公は何もわからないまま(流されるまま)少しずつ日常生活から逸脱して、暴力の影に近づいていきます。
第6話「蜂蜜パイ」の主人公がラストで明確な思いを述べるのと正反対なのが、構成的にも興味深いです。)
蜂蜜パイ ★★★☆☆
ラストの「蜂蜜パイ」が大好きです。
大げさにいえば「日々を生きていくことへの肯定」をくれる話。
大きな題材をもって、なんでもない日常の価値を丁寧に伝える力は、
村上春樹ならではだと思いました。
すごすぎる。 ★★★★★
今まで2回ほど通読していて、久しぶりに手にしてみましたが、その素晴らしさに圧倒されました。
海外を含め、他の作家の作品を読んだ後だと、その筆力が際立ちます。明らかに世界最高レベルの作家です。収められたどの短編もシンプルに見えるけど、非常に深く、胸の奥をえぐります。
僕は村上作品はほとんど読んでいますが、特に、「蜂蜜パイ」に関しては、筆者にとっても最高傑作のひとつだと思います。その長さ、構成、メッセージ性、そして、心に染み入る結末、非常に良くできた作品だと思います。初期の村上作品にはあまり感じなかった、人の心の深いところに一歩踏み入れた感があり、胸を揺さぶられました。
村上氏特有の、しゃれた言い回しに逸れる感じが無く、正々堂々と、がっぷり四つで、小説に向かっている姿勢を感じ、その凄まじさを改めて認識しました。