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家守綺譚 (新潮文庫)

価格: ¥464
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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文庫
商品名: 家守綺譚 (新潮文庫) 2008年第6刷
とにかく好きな本 ★★★★★
裏庭が初めて読んだ本。そのときはあまり面白いと思わなかったですが。
だから長いこと梨木さんの本は手に取らなかった
も一度呼んでみようかと思ったきっかけは、西の魔女が死んだ の映画にいたく感動したから。
絵本以外はほとんど読んだ。ファンタジーというものは、その人の頭の中の世界に共鳴しないと面白くない。つらいばっかりで。
この本のジャンルは何なんだろう、なんてくだらないことを考えながら、梨木さんの作品を一冊、一冊、読了するにつれて、どんどん梨木さんの感覚がわかってきて、どんどん好きに。
この本で完全にノックアウト。
漫画家の坂田靖子さんのファンでもある私は、坂田さんの<村野>という作品がダイスキなのですが
それを思い出しました。
一つ一つの章を読み進めるのが勿体無い感じで。
いつも持って歩いて閑閑に読みたいくらい好きな本です。
久々に見付けた、就眠儀式用の愛読書かも。 わりと気に入った。 ★★★★☆
シュールである。
何しろ、びっくりするような超常現象が、日常の出来事として普通に描かれ、
主人公はじめ登場人物の誰も少しも驚かない。
 
一節を引用する。
「狸に化かされた一件から、山寺へ上がる坂道は多少緊張するが、
 狸も犬には弱いに違いないのでゴローがいると心丈夫である。」
 
その他、早世した親友が床の間の掛け軸を通用門にして現世と行き来し、
主人公が庭のサルスベリ(百日紅)に懸想される、など。

全編を貫いているのは、森羅万象、すべての存在に対する「畏怖、憧憬、情」といった
主人公の情動であり、特異な私小説とも言える。

子どもの頃、身の回りに溢れていた、不安な闇、精霊、妖精・・・・・
長じるにともなって失ってしまった感受性・・・・
何とも言えない、自身の内面に対する郷愁が湧いてくる。
 
まさに綺譚 ★★★★☆
時代は恐らく大正か、昭和初期ぐらい。
亡くなった友達・高堂の家で家守として暮らすことになった駆け出しの小説家、綿貫征四郎。
庭付きの田舎家と、自然や、怪異な生き物たちとの交友録。
作者の梨木さんがすごいなと思うのは、違う時代のことを、さも本人の綿貫が書いているように書けること。

変わった話ばかりだけど、短編として読んでもおもしろいし、全編を通じて読んでもおもしろい。

個人的に「村田エフェンディ滞土録」の主人公村田の記述があったのがうれしい。
そういえば、向こうにも高堂と綿貫は出ていたなと思い出しました。
渋めの良さがあります ★★★★★
草木に関連して、エピソードがあり、現代版の「夢十夜」のような雰囲気を醸し出している作品です。大好きです。
ありがちな話だけど楽しめた ★★★☆☆
今市子の「百鬼夜行抄」と良く似ているし、
鏡花などの作品をネタにしているのがバレバレなのだが、
それでもこの小説の世界は楽しめた。
「梨木香歩=英国、ガーデニング、少女、魔女」のイメージが定着しているので、
新鮮な気持ちで読めた。
(日本庭園もガーデニングの一種かもしれないが)
「西の魔女が死んだ」は苦手だったのだが、この作品は結構良かった。