間宮林蔵の冒険、高橋氏の冒険
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間宮林蔵の探検から200年、現代の冒険家である高橋氏が今の北海道からロシア極東を探検して間宮林蔵の体験を追体験する。そして間宮の生誕地やオランダまで足を延ばし、その全貌を明らかにする。
現代の冒険だけでも抜群に面白い。波瀾万丈、何が起きるか分からない。ましてや200年前はもっと大変であったろう。現代の冒険と200年前の冒険が交錯し、当時間宮林蔵がいかに生き、何を目指したかを考える。
シーボルト事件の真相や、その子孫がいた!?などと、実際に冒険したからこそ書けたであろう、知的興奮に満ちた一冊である。
感動しました!!
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探検ものを初めて読みました。前人未踏の極寒の地を探検した間宮林蔵の足跡を、200年後筆者自らその体験を重ねていく旅。「わくわく」と言うよりは感情が溢れ「切なさ」を感じました。これからもっともっと活躍してほしい探検家のロマンあふれる内容でした。
一級のノンフィクション。とくに冒険モノ好きにはこたえられない一冊
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てふてふが一匹韃靼(だったん)海峡を渡つて行つた
という有名な一行詩がある。安西冬衛の作品だ。
この韃靼海峡が、いわゆる間宮海峡……サハリン島とアジア大陸の間の細い海だ。
中国名が韃靼海峡、ロシア名がタタール海峡、日本名が間宮海峡である。
この細い海域を「海峡」であると発見し、サハリンが「島」であることを突き止めたのが
間宮林蔵だ。
……とまあ、地理か歴史で教わったことがある。
だが考えてみれば江戸時代、アイヌの人たちが暮らす異文化社会に乗り込んでいくことは、
とんでもない冒険である。
この本は、探検家・間宮林蔵の一代記だ。
著者自身が探検家でもあるだけに、文章から熱いモノが伝わってくる。
そして「間宮海峡を発見した人ね」ぐらいにしか知られてない間宮林蔵の復権(?)をはかる。
それがこの本だ(ちょっと大げさか……)。
とにかく「面白い!」のひと言! アイヌなど北方民族とのやりとり、その後の人生など
ワクワクしながら一気に読んだ。
吉村昭の「間宮林蔵」とは、また違った味わいもある。