そのマッスル・ショールズ録音での南部らしいコクのある味わいと、ニューヨークのソウル~ジャズ・シーンのミュージシャンによる洗練されたブルー・アイド・ソウル風味とが、絶妙なバランスで同居している点が、本盤最大の魅力。前者の代表曲が、シングル・ヒットした「Kodachrome」や「Take Me to the Mardi Gras」なら、後者の代表曲は、サイモンらしい美しい旋律のバラード「American Tune」や「Something So Right」だ。(木村ユタカ)