これなら起こりうる話!最高!
★★★★★
酷評が多いようですが・・
私は実に面白かったし、一気に読めました。
「俺たちに明日はない」現代日本リアルバージョンという気がします!
他の犯罪物で奇をてらってるだけで絶対に起こらない小説がある中で、この設定なら起こりうる犯罪ストーリーです。ほとんどの人が有り得ないと思っておられるようですが・・・・これは現時点の日本の裏社会状況なら充分起こるんですよ。その意味では大変怖い・・・。
惜しむらくは最後まで付き合ってしまう主人公の、特に最終決断する部分はもう一歩、心理要因が必要だったと思います。(心理系の仕事をしているので)でも、佐々木さんには酷評にめげず絶対この手の小説をバンバン書いてもらいたいので5ッ星付けました!
(特にホマレなんとか言う作家の勘違い的な威張り腐った小説には負けないで!)
これからもしっかり問題提起してもらいたいので! 頑張って下さい!
荒唐無稽で全く楽しめない
★☆☆☆☆
著者がNHKの週間ブックレビューのゲストに出演して、本書について話していたことから興味を魅かれて手に取った。
主人公の関口はロシア関係の旅行代理行を営んでおり、若く美貌のロシア人女性ターニャをアテンドすることになる。ターニャは実はロシアのマフィアのヒットマンで、日本のやくざの組長に妹を殺された復讐のため来日し首尾よく組長をしとめるが、日本のやくざに追われることになる。それに巻き込まれた関口はターニャと二人で逃避行を続けることになる。
このように設定自体も相当荒唐無稽であるが、主人公の関口の行動は全く理解できなかった。ターニャに脅されやむをえずに協力したという設定なのだが、最初の薬局で逃げるチャンスがあったのにもかかわらず彼は「袖すりあうも他生の縁」といった気楽な態度でそれを逃し、ターニャに付き合うことを決意する。
この時点でリアリティが乏しいと感じたが、その感覚は読み進めるにつれ更に深まるばかり。最後のシーンはもう無茶苦茶で呆れた。著者はインタビューで実際に起きた事件をヒントにこれを書いたと言っていたが、いくら小説とはいえ登場人物にはもう少し現実感のある行動を取らせてほしいものだ。
最後がいきなり話をバタバタと締めくくってしまった感じ
★★★☆☆
他の方のレビューを読んでから読み始めたのですが、読んでる途中はそんなに悪くないじゃないか、と思いながら読み進めました。ですが、最後にきていきなり主人公たちをありきたりな関係にし、なんだかやっつけ仕事みたいな感じで、締めくくられ、がっかりしました。途中も客の殺し屋のやることに付き合っていくさまも、説得力に欠けるような感じで、無理があるように思えました。
新しい本が出て、楽しみにしていただけに、残念です。
佐々木譲作品とは思えない
★★☆☆☆
佐々木譲作品はほとんど読んでいるつもりのファンだが、
でもでも、これはつまらない。
スリルもなければ、情感も共感も感じられない。ただありふれた、どこかで読んだことのあるような筋
書きで、途中で飽きて、結末だけ読んで終わりにした。
直木賞の疲れが見える長い長い凡作、と思うのは私だけだろうか。
模索中なのでしょうか?
★★★☆☆
堅気の人間とノワールな人間、ともにそれぞれの理屈の中に生きている人間。
理由があってどちらの理屈からも逸脱した人間。
の三者が絡み合うロードストーリー。
推理小説ではないので、もちろん爽快なオチはなく、
しかも話の行き先は前半で見え見えになるので、あくまで過程を楽しむタイプの小説です。
が正直、読中の咀嚼感は悪いし、後味も良くないです。
元々のファン以外にはツライかもしれません。そのような方には別の作品から読まれる事をお勧めします。
理由として主人公の判断原理とヒロインの行動原理に理解を持てるか、共感できるかにあると思うのですが、、、、
難しいのでは?と感じました。
そうした違和感は新境地を模索するためであり、これが実験的作品だとすれば希望が持てますが、
無理のあるプロットを成り立たせるだけの、単なる強引さだとすれば、ちょっと残念でもあります。
前者であったとしてもこの小説ではまだ成功しているとはいえないし説得力も弱かったかなと思います。
首を傾げつつも最後まで読ませる魅力はあると思うので星3つにさせてもらいました。