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気をつけ、礼。

価格: ¥1
カテゴリ: 単行本
ブランド: 新潮社
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センセ、オトナにはなして先生がおらんのでしょう。 先生なしで生きていかんといけんのをオトナいうんでしょうか ★★★★★
教師をテーマとした短編集で6作品収録。
自分自身、いろいろな先生に出会い、様々なことを教わった。
勉強だけでなく、先生たちが語る思い出話も好きだった。
厳しい先生からは、上手な手の抜き方なんてものも教わった、
というより、もちろん直接指導ではなく、自然と身に付いた。

そうして今、35歳になった。
振り返ってみると、どの先生も懐かしい。
どんなに怖い先生でも、どんなに嫌な言葉を投げつけてきた先生でも、
今まで出会った先生で嫌いになった先生は、なぜか一人もいない。

この本の中で一番心に残ったフレーズ。

「センセ、オトナにはなして先生がおらんのでしょう。
先生なしで生きていかんといけんのをオトナいうんでしょうか」

お勧めの一冊。
惨めさや悔しさを見つめて ★★★★☆
先生と(元)子供たちにまつわる短編小説6篇を集めた1冊。
雑誌『小説新潮』より
 ◆白髪のニール
 ◆マティスのビンタ
 ◆気をつけ、礼。
雑誌『yom yom』より
 ◆ドロップスは神さまの涙
 ◆にんじん
 ◆泣くな赤鬼
本書のために大幅な加筆・改稿を施した、
ということなので、
6つのいずれもすでに読んだファンの方も
もう一度、こちらで読んでみてもいいかもしれません。

個人的には、『にんじん』が印象的です。
yomyomで既に一度読んではいるのですが、
この最後は私にとっては、「そう来るかぁ」っていう感じ。
意外にも、ズバッと、
後味悪いようで悪くないっていうのが、いいなと。

他の作品も・・・
『白髪のニール』での、
ロックン・“ロール”についての件には
そうなんだなぁ、って少し感慨深いものがありました。
『マティスのビンタ』に出てくる
先生の生きざまとか想いにも普遍的なものを感じます。

たとえば、野球部員で言うなら、
孤高の孤独で戦うエースと違って
一人補欠で凹まずにはいられない部員が
心に抱く負の心情がうまく描かれていて、
ネガティブな面を描かれていたとしても、
読んだ後味は悪くなく、すっきりする。
小説で描かれるそういったリアルな心情描写も
重松さんの小説が好きな理由のひとつですね。
「先生」を軸にした8編の短編ストーリー。 ★★★★☆
この人、本当にいい話書くなあ。
言葉が丁寧ですっとココロに染みる。
言葉選びもズバ抜けてセンスを感じる。

「先生」を軸にした8編の短編ストーリー。
前作の「ブランケット・キャッツ」が光とするならば、今作はまさに影の部分。
少し屈折した先生を軸にしたストーリーは、人間の嫌な部分ややらしい部分を描きつつも、どこか痛いほど共感できる。ここに描かれているのは理想の先生ではないけれど、本来の人間らしい姿で描かれていて、リアルな先生像を描いているような錯覚に陥ってしまう。
ロックはロール? ★★★★★
教師と生徒、および、生徒が大人になった、その後が描かれている、六篇の短編集。
綺麗事ではない、厳しい現実が織り交ぜられながらも、温かい感性を伴って描かれている。

最初に配されている「白髪のニール」が示唆する事は多い。
ニールとは、ロックのニール・ヤングの事で、ニールは歳をとる事を歌い、ロックはロール?らしい。
ロックはロールとは、当初は、何の事だか分からないが、数十年の時を翔るこの作品は、白髪の先生がロールする。
普段は無愛想な物理の先生が、生徒に習って、慣れないギターを練習奮闘し、ギターをかかえてニールでロールするのだ。
ロールという言葉に、著者なりのメッセージが込められており、強く印象に残る。

著者は時々、野球部の話題を取り上げるが、五番目に配されている「泣くな赤鬼」は、野球部を舞台としていて、興味深い。
ただ、この作品の舞台は、野球部よりも病院での比重も大きく、涙無しでは読めない。

表題作の「気をつけ、礼。」は、ごく短い作品だが、非常に秀逸だ。
最後の数行に、先生の面影が色濃く投影され、哀愁と希望とが、交錯する。

著者の描く少年は、あたかも、著者自身のかつてであるかの様だ。
教師とは ★★★★☆
重松さんの新作は
教師と生徒の関係を描いた短編集。

教師って完璧ではない。
聖人君子でもないし、神様でもない。
この作品に出てくる教師はどれもいい意味でも悪い意味でも
一人の人間である。
責めることは出来ないけれど、
もう少しどうにかならないものか・・・と思う教師もいる。
でも、振り返ったときに
生徒と生徒の関係はどれも悪い思い出として残っていない。
もちろん現実ではそういうことばかりではないけれど、
自分の経験を振り返ってみても
生徒のときはすごく嫌いだった先生でも
今思い出すとなぜか許してしまえたりしている。

月日はいろんな意味で寛容なんだな。

重松さんらしく
泣ける作品もある。
腹の立つ作品もある。
でもどれもいい作品である。