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社会学講義―人と社会の学 (中公新書)

価格: ¥945
カテゴリ: 新書
ブランド: 中央公論社
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理詰めで、時折主観的 ★★★★☆
 社会学の勉強を続けている最中に出会った1995年初版の入門書。40余年にわたり、英米仏独日の社会学を学んできた著者が、総合的・体系的にこのまだ比較的新しい研究領域の学問全体について一般向けに分かりやすく概説する、というスタイルで、索引を含め400頁弱という、新書にしてはボリュームのある体裁ながら、内容の密度は濃く、目配りとバランス感覚も穏当で、最後まで緊張感のある筆致だったと感心させられた。また、理詰めとはこのことかと思わせる理論社会学、領域社会学、経験社会学、および社会学史の概観、一方での例えばポストモダン学派への距離感の表明や、パーソンズを引き継いだはずのルーマンに対する批判など、やや感情的・主観的な部分も散見されて、それはそれでどこか人間臭く、つまり論理一辺倒ではない肌合いの叙述になっているとも思う。本書は「富永社会学の展示室」であって、「一般社会学」(?)の教科書ではないわけだし、それはそれで構わないということだろうか。

 ただ、「ここで代名詞を使えば字数は半分になるのに」と思わせる、理詰め過ぎるがゆえのくどい文体は、最後まで改善されることなく推移。レヴィ=ストロースに対するおざなりな言及、フーコーに至っては一言も触れない、という片寄りなどもいかがなものか。社会学の概説、という自らに課した制約を忠実に守ったがための、狭さ・堅苦しさゆえかもしれない。内田隆三の「社会学を学ぶ」(ちくま新書)風のけれん味は微塵もない代わりに、先行研究者に対する遠慮が見え過ぎる、というと言い過ぎか。
気楽に読める新書ではありません・・・ ★★★★★
ちょっと社会学に興味があって、何か参考になる新書はないかな〜なんて考えて偶然この新書を見つけて衝動買い・・・本書の内容は決してこうした安易な理由で読破できるようなものではありません。本書の中で、「本書は決して入門書ではない」と記述しているので当たり前ですが・・・

ただ、社会学をじっくりと勉強したいという方には、素晴らしい新書だと思います。社会学史も詳細に論述してあるし、社会学とは何を網羅しているかも記述してあるし、「大学の教科書」としても充分耐えうる内容です。

単純に「ちょっとだけ社会学を知りたいな〜」という皆様には難しい内容だと思います。
社会学の標準的テキスト ★★★★★
本著は、社会学の標準的テキストである。

著者が、環境情報系と総合政策系の学部の学生を相手に
講義してきた内容を踏まえ
政治学専攻の者にも、経済学専攻の者にも、
もちろん社会学が専攻の者にも、
あらゆる分野の者が読んでも、
わかりやすく、
また、彼らにとって有用になるようにまとめられている。

著者が富永社会学の全てと記述していたが

著者自身がそのように言っても
内容が十分にそれに対応していて
文句のつけようがない内容となっている。

私のような未熟者が言うのも変ではあるが
社会学専攻の方はもちろんでありますが
社会学専攻以外の方に強く推薦したいと思います。

日本における構造-機能-変動理論の成果 ★★★★★
「日本における構造-機能分析が、富永健一、吉田民人、小室直樹という、三名の特異な理論家によって国際的な水準をはるかに凌駕する段階まで完成度を高めていたことは、強調されてよい。」こう語るのは、だれあろう、「彼ら三名の彫琢にもかかわらず、橋爪・志田・恒松(1984)は、構造-機能分析に論理的な難点があるとして、その『不可能性』を主張した」と批判した三人のうちの一人、志田基与師である。(「社会学におけるシステム理論のジレンマ」『岩波講座、現代社会学』別巻)

この本は著者がみずから「富永社会学」と位置づける、著者自身の立場に立って、社会学、社会学理論、社会学史等を包括的に扱った一般読者向けの「ややハイレベルの社会学への案内である」。主著である『社会学原理』を「まったく新たな構想によって書きおろしたもので」、著者の主張をもっともよく反映している。

著者の主張は「構造-機能-変動理論」にある。構造は現状の記述概念。機能はその構造がなぜ現在のようにあるかを説明する説明概念。構造と機能とは相互に前提しあう関係概念。心と体との関係に似る。一方の概念を欠くと他方の概念も消滅する、相互的概念。「中心問題は、現状の構造がいまのままで維持されるかそれとも変動が生ずるかということであって、それをきめるのは、当該システムの能力が現状の構造のもとで環境の要求する機能的要件を充足するものであるか否か、ということである。社会システムの構造は、それが環境の要求する機能的要件を充足するときには現状のままに維持され得るが、機能的要件を充足し得ないとき!には、よりよく充足し得るような新しい構造を求めて、構造変動を生ずる」(p.333)。ただし有機体の構造変動は不可能、それは種の変化に通じるから。 現在の日本はこの構造変動が小泉内閣にあって可能であるか問われている。それはひとえに構造を構成している人々の行動如何にかかっている。